千代の吹上コースから目指す秋の金峰山 【前編】

登山

登山した日-2015.9.30

奥秩父に到来した本格的な秋。今回は奥秩父の主峰・金峰山の紅葉の様子を見に登って見ることにしました。登山道具をリュックに詰め込んで真夜中の甲州街道をバイクでひた走ります。

※この記事は全2ページあります。

金峰山の地図

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【コースタイム】

6:10瑞牆山荘→6:50富士見平小屋→7:30大日小屋→8:40砂払の頭→9:30金峰山→9:50金峰山小屋→10:30砂払の頭→11:40大日小屋→12:10富士見平小屋→12:50瑞牆山荘(計6時間40分)








瑞牆山荘の登山口から目指せ金峰山

金峰山登山口のある山梨県北杜市へやってきました。ラジウム温泉で有名な増富鉱泉が近づいて来ると東の空が白み始めて金峰山が黒いシルエットで見えて来ました。

増富鉱泉を過ぎると深い森の中の細い山道で、しばらく駆け上がり続けると金山平(かなやまだいら)が見てきました。ここは展望が開けていて金峰山を望めるビュースポット。目指す金峰山は朝焼けの空をバックに大きくそびえ立っていました。

登山口のある瑞牆(みずがき)山荘は金山平からすぐ先にあって広い駐車場が整備された場所でした。僕が到着した午前6時で何人かの登山者が居て、僕が到着した後からも続々と登山者の車がやって来たりと玄関口として賑わっていました。

今回の金峰山登山は千代の吹上コースを歩きます。

【登り】瑞牆山荘→富士見平小屋→大日小屋→砂払の頭→金峰山
【下り】金峰山→金峰山小屋→(巻き道)→砂払の頭→大日小屋→富士見平小屋→瑞牆山荘

という感じです。

早速登山口へ入ると広葉樹の森が広がっていて綺麗。葉は多少色づいている程度でした。

夜空に浮かぶ金峰山

白み始めた空の向こうに金峰山の黒いシルエットが見えてきました。

金山平から見上げた金峰山

金山平から見上げた金峰山は白い岩肌を剥きだして大きくそびえ立っていました。

金峰山秋駐車場瑞牆山荘

瑞牆山荘の登山口駐車場。広くて綺麗に整備されてますね。

金峰山登り始め

広葉樹の森が広がる登り始めの平坦な道。

薄暗い原生林の中

登山口から少し歩くと滑りやすい急斜面に差し掛かり、ここを登り切って小尾根に出ると緩やかな登り道で程なくして富士見平小屋に到着しました。

富士見平小屋から先は飯盛山(2116m)の登りで、辺りは段々シラビソ・コメツガの針葉樹の森へと変わっていきます。飯盛山を巻いたあたりまで来ると辺り一面陰鬱な原生林に包まれていました。

石や倒木など存在するあらゆるものが苔むしていて、まるで太古の時代にタイムスリップしたかのような気分にさせてくれるシラビソ・コメツガの森。幻想的だけど陰鬱としているから心まで陰鬱になりそうなのは登山では毎度のこと。

『こんな暗い森、早く抜けて太陽いっぱいの明るい稜線に出たいな・・・』

そう思っていても、実は今回のコースの殆どがこんな鬱蒼とした感じなので我慢するしかありません。飯盛山を巻き終わって大日小屋を過ぎると、登山道はどんどん険しくなってきました。

金峰山最初の急登

富士見平小屋を目指して登っていきます。

金峰山富士見平小屋

富士見平小屋。テント場もあるので金峰山・瑞牆山を登る拠点になっています。

飯盛山を巻いたあたり針葉樹林

飯盛山を巻いたあたりに広がるシラビソ・コメツガの鬱蒼とした原生林。

金峰山秋富士見平小屋~大日岩間に建つ大日小屋

富士見平小屋~大日岩間に建つ大日小屋。

展望ありの大日岩直下

大日小屋を過ぎると胸を突く急登の連続で、あまりのしんどさに音を上げて空を仰ぐも森以外何も見えません。ひたすら我慢して登っていくと、突然森が切れて見晴らしの良い岩の上に出ました。

ここは大日岩直下の展望地で、塔の形をした大日岩が朝日を受けて僕の頭上に輝いていました。眼前には北杜市の街並みや南アルプスが一望出来たので、雄大な展望を堪能しつつ一服して体力を回復させます。まだまだキツイ登りが続きますからね。

ここから10分程登って金峰山主稜線上の大日岩分岐点へ到着したのは午前8時前。これで千代の吹上コースを約半分踏破した事になります。

金峰山大日岩直下から望む南アルプスの連なり

大日岩直下から望む南アルプスの連なり。ほとんど樹林帯の登りが続く中でこの展望はとっても貴重でした。

金峰山大日岩

金峰山の主稜線に立ちました。木々の向こうに大日岩が見え隠れしています。

金峰山秋大日岩から金峰山を目指して再び深い森の中へ

大日岩から金峰山を目指して再び深い森の中へ入っていきます。

樹林帯を抜けて

金峰山の主稜線に出てからも展望は無く、森の中を黙々と登り続けるだけでした。大日岩から何時間歩たんだろう・・・もう30分くらいかな?それとも1時間くらいかなぁ。

と思って時計を見るとまだ10分しか経っていなかったりとか、変化の乏しい世界の中に居ると時間の感覚がマヒしてしまいます。

歩いている途中で根っこに足を取られたり石につまずいたりしてると無性に「登山」という行為がイヤになってきます。

『なんでいつもこんな辛い思いをしてまで登に登るんだろう。でもまた山に行きたくなるのはなんでんだろう・・・。』

なんて脳内で自問自答し続けてると、随分時間が経過していて急なガレ場に差し掛かっていました。息も切れ切れ登っていくと森が開けて砂払いの頭直下の岩場に出ました。

岩場からは大日岩で見た景色以上の展望が広がっていて南アルプス・北アルプス・八ヶ岳はもちろん富士山も拝める壮大な展望!爽快な風を全身に受ける気持ちの良さ!!ここまで歩いて来た達成感!!!

こういうのを感じれるからまた登山したくなるんでしょうね。

金峰山秋ひたすら続くシラビソ・コメツガの鬱蒼とした森

ひたすら続くシラビソ・コメツガの鬱蒼とした森。

金峰山秋登山道はどんどん険しくなってガレ場の急登の連続

登山道はどんどん険しくなってガレ場の急登の連続。しんどくて死にそう。

金峰山秋キツいガレ場の登りの登り切った先に待っていたのは素晴らしい展望でした!砂払いの頭直下の岩場にて

キツい登りの先に待っていたのは素晴らしい展望でした!砂払いの頭直下の岩場にて。

金峰山富士山の優雅な裾野もばっちり見える大展望

富士山の優美な裾野もばっちり見える大展望。

金峰山秋真っ赤に染まるナナカマドの紅葉

真っ赤に染まるナナカマドの紅葉。

砂払の頭から雄大な八ヶ岳連峰と、右下に瑞牆山の岩峰そびえたつ光景

遠くに広がる雄大な八ヶ岳連峰と、右下に瑞牆山。

紅葉に染まる金峰山の稜線

岩場では一人の男性が写真を撮っていました。ここに来る直前で僕を颯爽と追い越していった方でした。話をすると男性はこの雄大な展望に感極まったのか少し興奮している様子で、そんな姿を見ると僕も感極まってきました。

この岩場から目と鼻の先の所に砂払いの頭山頂(2317m)があって、頂に立つと金峰山山頂まで続く迫力ある岩稜を望むことが出来ました。

岩稜の西側は緩やかなスロープを描いて麓まで続いているのとは対照的に、東側は断崖絶壁で鋭く切れ落ちています。その岩稜に赤や黄色の紅葉が点在していてこれからあの中に入っていくんだ、と思うと気分が高揚してきました。

金峰山間近に望んだ砂払いの頭

間近に望んだ砂払いの頭。ここで出会った男性は颯爽と先へ進んでいきました。

金峰山振り返れば小川山とナナカマドの紅葉

来た方向を振り返ると小川山(2418m)とナナカマドの紅葉。

砂払いの頭から望む金峰山。山肌に広がる紅葉とハイマツの緑の組み合わせがとてもキレイ

砂払いの頭から望む金峰山の山肌は緑のハイマツの絨毯に紅葉が点在していました。綺麗です・・・。

金峰山岩稜を挟んで右側は断崖絶壁!鋭く切れ落ちていて迫力充分

尾根を挟んで右側は断崖絶壁で鋭く切れ落ちていてすごい迫力!

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稜線の記憶