北アルプス朝日岳・雪倉岳・白馬岳縦走記(最終) – 曇天の小蓮華山

登山

登山した日-2012.8.8~11

8月11日。登山最終日の朝はガスと強風で始まりました。テントが風に煽られて手間取りながらも畳んで荷物をザックに詰めて出発準備完了。午前5時30分村営頂上宿舎を後にします。目指すは終点・蓮華温泉!

ガスに包まれた白馬岳

村営頂上宿舎から尾根に出て白馬岳までの20分の道のりを登っていきます。僕の前後には人の気配はあるし話し声も聞こえるのに人の姿は全く見えないくらいの濃い霧が立ち込めています・・・。

『富山県の今日の予報は曇のち午後から雨で所により雷』

ラジオで聞いた予報だと天気は下り坂。今日の白馬岳はずっとこんな天気なんだろうなぁ。どうか下山するまで雨が振らないで欲しいと思うけど今にも振りそうな感じです。

白馬山荘までやって来ると小屋前には沢山の登山者が集まっていました。そんな光景を横目に白馬山荘から10分ほど登って立った白馬岳山頂はやっぱりガスで何も見えず。残念だけどまた今度天気のいい時に来るよ。と心の中で呟きながら三国境へ向かいます。

白馬岳登山最終日は一寸先も見えないガスに包まれた天気からスタート。こんな天気じゃテンション上がらないや

登山最終日は一寸先も見えないガスに包まれた天気からスタート。こんな天気じゃテンション上がらないや。

白馬岳山頂もガスで何も見えず

白馬岳山頂もガスで何も見えず。

白馬岳を後にして三国境を目指してガスの稜線を前進します

白馬岳を後にして三国境を目指してガスの稜線を前進します。

白い砂地の小蓮華山

尾根道を下り続けるとガスの底を抜けて、眼下に三国境と小蓮華山(2766m)まで続く白い砂礫の尾根が見えてきました。

三国境は早朝にもかかわらず結構な人数の登山者が休んでいます。三国境から朝日雪倉方面を眺めてもガスばかりで何も見えないけど、昨日歩いて来た時に見た景色が鮮明に蘇ります。

三国境を過ぎて小蓮華山へ向けて歩いていくと辺り一面白いガレ場で、遠くから見れば雪が積もってるかのような真っ白い尾根を進んでいくと、緩やかな登りが階段状に続きながら小蓮華山へと近づいていきます。

時々雲が切れると小蓮華山の全容を望むことがきました。本来なら雄大で格好良い小蓮華山の光景がそこにあるはずなんだけど、天気が悪いせいか見栄えはイマイチ。やっぱりスカッとした青空の下拝みたかった・・・。でも昨日までずっと晴れに恵ま続けた今回の登山。全日程晴れて欲しいというのはちょっと贅沢な要求かもしれませんね。

小蓮華山最後は長いダラダラした登りで、山頂には大きな剣が地面を突き刺した状態で奉納されていました。その山頂の周辺はロープが張られてあって立入禁止。山頂が崩壊して危険だからとの事です。

三国境が見えてきました

三国境が見えてきました。

三国境へ到着

三国境へ到着しました。

小蓮華山へ向かう稜線

小蓮華山へ向かう稜線。

小蓮華山の登り途中で白馬岳を振り仰いでみました。やっぱりガスで何も見えませんね

小蓮華山の登り途中で白馬岳を振り仰いでみました。やっぱりガスで何も見えませんね。

鉄剣が突き刺さる小蓮華山山頂

鉄剣が突き刺さる小蓮華山山頂。

白馬大池へ

小蓮華山から次に向かう白馬大池までの尾根道も、白いガレ場の景色が続きます。緩やかな下り坂が続くので疲れる事なく進んでいくと、白馬大池の湖面が大きく視界に入ってきました。

そして今まで空を覆っていた鉛色の空も若干明るくなって、辺りを包んでいたガス消えて朝日雪倉の山並みも見えるようになりました。

午前7時半に白馬大池山荘へ到着しました。小屋前には広々としたテント場があって何張りかテントが張ってあったけど登山者は殆ど居なくてしーんと静まり返っていました。

小蓮華山を越えるとガスが晴れて白馬大池が見えてきました

小蓮華山を越えるとガスが晴れて白馬大池が見えてきました。

小さなお花畑。天気が悪くてぱっとしない見栄えだけど心が和みます

小さなお花畑。天気が悪くてぱっとしない見栄えだけど心が和みます。

小蓮華山を越えても続くザレ場の尾根道

小蓮華山を越えても続くザレ場の尾根道。

雷鳥坂の下りから眺める白馬大池。雲上に佇む神秘的な池です

雷鳥坂の下りから眺める白馬大池。雲上に佇む神秘的な池です。

白馬大池と白馬大池山荘

白馬大池と白馬大池山荘。

白馬大池山荘へ到着。小屋前はテントサイトになっていて広々としてて開放的

白馬大池山荘へ到着。小屋前はテントサイトになっていて広々としてて開放的。

蓮華温泉へ下山

白馬大池山荘手前に蓮華温泉への下山路があり、ここを2時間下れば終点の蓮華温泉。いよいよクライマックスです!

下山路へ入ると辺りはチングルマが広がる開放的なお花畑。でも程なくして樹林帯へ入ると視界は無くなります。オオシラビソから発するヤニの香りや地面から発する枯葉の腐葉土臭が鼻につくと、久しぶりに森を感じたような気がしました。

蓮華温泉まであと一息とは言っても道のりは険しくて、ゴロゴロとした岩が地面にむき出して段差も多いし浮石は多いし木の根っこで躓きそうだし歩くのに苦労する道です。

高度を下げてダケカンバの巨木が広がるあたりまで来ると登山道は斜面をトラバースするように続いていきます。ちょうどこの辺りで蓮華温泉から登って来る登山者達とすれ違うようになりました。登山者は皆んな汗にまみれてしんどそう。やがてカラマツ広がる『天狗の庭』と呼ばれる展望地へ到着。ここからは朝日岳や雪倉岳の雄大な展望を楽しめるそうなんですが、ガスで何も見えませんでした。

『天狗の庭』を過ぎると急勾配の下り坂で苦しい登山が続きます。結構下ったはずなのに終点の蓮華温泉はまだ見えず、ただ深い森が続くばかりで一向に下山しているように思えません。疲労はピークで気力と精神力が要求される苦しい時間。だけどこれを我慢すれば間もなく光が見えてきます。

ブナの巨木の間に蓮華温泉の源泉が見えてくるとゴールはもう間もなく。ジグザグに続くぬかるんだ急斜面を下り蓮華温泉ヒュッテへたどり着いて下山完了。時刻は午前9時半でした。

3泊4日の長い登山はこれで終わり。さあ疲れたから自宅へ帰ろうと、駐車場へ向かう途中に朝日岳・雪倉岳を望める展望地があったので眺めて見るも、曇り空でキレイに見えません。最後はキレイな絶景で登山を締めくくりたかった!と思ったけど、登山道中でいっぱい見て来たからこれで十分です。

白馬大池から蓮華温泉へ下る登山道は岩がむき出しの歩きにくい道

白馬大池から蓮華温泉へ下る登山道は岩がむき出しの歩きにくい道。

樹林帯から望む朝日岳(右)赤男山(真中)雪倉岳(左)

樹林帯から望む朝日岳(右)赤男山(真中)雪倉岳(左)。

ダケカンバの巨木

ダケカンバの巨木。

天狗の庭は見晴らしの良いカラマツの灌木帯。晴れてれば朝日岳雪倉岳を望めるんだろうけどガスで何も見えず

天狗の庭は見晴らしの良いカラマツの灌木帯。晴れてれば朝日岳雪倉岳を望めるんだろうけどガスで何も見えず。

蓮華温泉へ無事下山

蓮華温泉へ無事下山。

蓮華温泉入り口の展望地から朝日雪倉の山並みを望むも雲が多くて展望はイマイチ

蓮華温泉入り口の展望地から朝日雪倉の山並みを望むも雲が多くて展望はイマイチでした。

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北アルプス朝日岳・雪倉岳・白馬岳縦走記4 – 花の鉢ヶ岳と絶頂の白馬岳
登山した日-2012.8.8~11 雪倉岳の山頂を踏めば最終目的地の白馬岳まであとひと息。でもまだ今日のコースの半分を歩いただけ・・・。そろそろ疲れが溜まって足腰が痛みでズキズキ。こんな状態でこれから鉢ヶ岳を巻いて遥かなる白馬岳を目指します...
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