登山した日-2015.11.16
雑音に包まれた武川岳
蔦岩山から武川岳までは雑木林と緩やかな起伏の尾根道で、歩くのに気持のいい場所です。だから今回の登山ルートで一番安らげる場所のはず・・・がそうもいきませんでした。
爆音を轟かせて武川岳山頂のそばをずっと飛び回わっている一機のヘリコプター。焼山を越えたあたりでその存在に気づいていたけど、『遭難か救助訓練でもしてるんだろう』と特に気にもしてなかったし、まだ遠い距離だったので煩わしい存在ではありませんでした。
でも武川岳に近づいてくるとその爆音が耳に障ってきます。ヘリは相変わらず武川岳のそばを行ったり来たり。どうやら工事資材を運んでるみたいです。
お昼前に武川岳山頂へ到着。山頂は展望もあり休憩スペースも十分あるから、お昼を過ごすのに好適な場所。けれどやっぱりヘリの爆音が五月蝿くて、とてもじゃないけどゆっくりできません。しょうがないから武川岳へは留まず次の目的地、伊豆ヶ岳を目指すことにしました。
![武川岳山頂は明るい森が広がる開放感に富んだ場所](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago17.jpg)
武川岳山頂は明るい森が広がる開放感に富んだ場所。気持ちいいです。
![武川岳は南面が開けていて奥秩父の山並みを一望](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago18.jpg)
武川岳は南面が開けていて奥秩父の山並みを一望できました。
![前武川岳の登り付近から振り返って望んだ武川岳は木々の向こうに山頂のシルエットが見えるだけ](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago19.jpg)
前武川岳の登り付近から振り返って望んだ武川岳。木々の向こうに山頂のシルエットが見えるだけ。
![前武川岳で見つけた秋の色](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago20.jpg)
前武川岳で見つけた秋の色。
![前武川岳から山伏峠へは尾根を挟んで天然林と人工林が広がる下り道](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago21.jpg)
前武川岳から山伏峠へは尾根を挟んで天然林と人工林が広がる下り道。
![見えてきた伊豆ヶ岳。比較的立派な山容](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago22.jpg)
見えてきた伊豆ヶ岳。比較的立派な山容をしていました。
![山伏峠へ到着。道路を渡って写真右奥の階段を上がって伊豆ヶ岳へ向かいます](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago23.jpg)
山伏峠へ到着。道路を渡って写真右奥の階段を上がって伊豆ヶ岳へ向かいます。
キツイ登りの伊豆ヶ岳
武川岳から南に伸びる尾根を歩いて前武川岳(1003m)へ到着し、ここから山伏峠まではずっと下り道。滑りやすい地面を慎重に踏みしめながら歩いて行くと、下の方から車やバイクの走る音が聞こえてきます。山伏峠へ降り立つと舗装路が横たわっていて峠を攻めるバイクが大きなマフラー音を響かせながら行き交っていました。
道路を横断して反対側の登山道へ取り付くと、薄暗いスギ林が広がる伊豆ヶ岳の登り。始めのうち緩やかだった道は、だんだん急になってキツイ登りが延々と続きます。普段からここを利用する登山者が多いのか登山道の地面は整地されたように踏み固められてツルツル状態。登りはまだいいけど、下る人は滑って大変そう。
ツルツルの道を越えたら今度は階段の登りで、苦しい試練が次々待ち構える伊豆ヶ岳。
『たかが850mほどの山にこんなに苦しむなんて・・・』
なんて気持ちがよぎったけど、標高にかかわらず山は厳しいもの。ナメてかかってはいけないよ。と改めて感じさせられました。さすがにここで少しバテて足取りが乱れ始めます。
最後の力を振り絞り急斜面を登り切ると小さな岩場と標識が見えてきました。伊豆ヶ岳山頂へ到着です。苦しかった登りから開放されてしばらくは放心状態・・・。水と食べ物を口に頬張りじっとしてると息も落ち着いて周りの景色を眺める余裕が出てきたので、伊豆ヶ岳からの展望を堪能します。
灌木に包まれているから360度の景色は拝めないものの、切れ間から関東平野や歩いて来た二子山・武川岳の展望を望むことが出来ました。なかなかイイ景色だけど、いつしか覆われた高曇りの空の下では鈍い色彩となってしまい、いくらか鮮明さを失っていました・・・。
![山伏峠から伊豆ヶ岳の登りへ向かうと辺りは深いスギの森](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago24.jpg)
山伏峠から伊豆ヶ岳の登りへ向かうと辺りは深いスギの森。
![二子山・武川岳・伊豆ヶ岳小さなキノコ](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago25.jpg)
ちいさなキノコを発見。
![伊豆ヶ岳山頂直下まで来るとスギの森を抜けて色づいた森をわずかに見れただけでした](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago26.jpg)
伊豆ヶ岳山頂直下は色づいた森をわずかに見れただけでした。
![標高851mの伊豆ヶ岳。標高以上に手ごわい登りで大変だったなぁ](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago27.jpg)
標高851mの伊豆ヶ岳。標高以上に手ごわい登りで大変だったなぁ。
![伊豆ヶ岳から望んだ奥武蔵の山並みと関東平野](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago28.jpg)
伊豆ヶ岳から望んだ奥武蔵の山並みと関東平野。
![伊豆ヶ岳より武川岳方面](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago29.jpg)
伊豆ヶ岳より武川岳方面を望む。
旧正丸峠から正丸駅へ
伊豆ヶ岳を後にして旧正丸峠へ向かうと小さなアップダウンが続く平凡な尾根道で、時々置いてあったベンチでは、登山者がお茶をしてるのどかな光景と出会えました。
旧正丸峠へやってくると、峠に建つ茶屋が目の前に現れました。でも立ち寄る事無く茶屋の真下に続く正丸駅へ向かう道を、一気に降りていきます。
スギの森が周りを覆って暗くなると、登山道は沢に沿って続いていきます。あちこちに古い空き缶や瓶の蓋や小さな屑が散乱していて沢はキレイじゃありません。暗いしジメジメしてるし、すごく陰気だし、一刻も早くこんな所を抜けだしたい気分がこみ上げてきます。
やがて森を抜けて小さな集落へ出ました。沢に沿って立ち並ぶ古い民家には剥かれたばかりの柿が吊るさてたり、洗濯物が干してあったり生活臭がするけど、人っ子一人居ない寂しい所。沢に沿って続く舗装路をひた歩き、やがて目の前に見えてきた線路の下をくぐると、コース終点の正丸駅へ到着しました。
疲れたから駅改札前のベンチに座って一休みすると、ブヨともハエともわからないような虫がいっせいにたかってきて思わぬ虫の襲撃にびっくり。最後に山の洗礼を受けて今回の登山は終わりました。。。
![緑のスギ林と紅葉の森が織りなす武川岳の山肌の景色。こうしてみると奥武蔵の山はスギの森が多いんだな・・・](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago30.jpg)
緑のスギ林と紅葉の森が織りなす武川岳の山肌の景色。こうしてみると奥武蔵の山はスギの森が多いんだな・・・。
![伊豆ヶ岳~旧正丸峠の尾根道は単調なアップダウンの連続](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago31.jpg)
伊豆ヶ岳~旧正丸峠の尾根道は単調なアップダウンの連続。
![二子山の勇姿。なかなか立派な山容をしています](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago32.jpg)
二子山の勇姿。なかなか立派な山容をしています。
![旧正丸峠から陰鬱な谷筋を歩いていきます](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago33.jpg)
旧正丸峠から陰鬱な谷筋を歩いていきます。
![登山道脇に祀ってあった小さな祠『お申講(おさるこう)』。山神様を祀ってるようです](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago34.jpg)
登山道脇に祀ってあった小さな祠『お申講(おさるこう)』。山神様を祀ってるようです。
![二子山・武川岳・伊豆ヶ岳登山口](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/futago35.jpg)
正丸駅到着で今回の山旅は終了。バイクを停めてる隣の芦ヶ久保まで電車で帰ります。
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![](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/bn-futago1-160x90.jpg)