酷暑の大菩薩嶺で見つけた小さな秋【前編】

登山

登山した日-2022.8.16

東京都と山梨県の県境にまたがってそびえる大菩薩嶺は、登山者入門の山としてとても人気があります。

上日川峠からダイレクトに大菩薩嶺山頂に登るコースが一番ポピュラーで楽だけど、片道1時間半くらいなのでちょっと物足りません。

なので、今回は上日川峠よりも麓にある裂石(さけいし)のゲート前駐車場から丸川峠経由で大菩薩嶺を歩いてみました。

※この登山日記は全2ページあります。

大菩薩嶺登山の地図とコースタイム

※地図内の『+-』ボタンや画面タップで拡大縮小できます。

裂石ゲート前駐車場は無料、トイレはありません。駐車場の写真はこちら

【コースタイム】
5:00裂石ゲート前駐車場6:35丸川峠8:00大菩薩嶺山頂9:00介山荘9:40石丸峠10:55上日川峠12:00裂石ゲート前駐車場 (計7時間)








ゲートから沢沿いを歩く

真夜中に中央自動車道をひた走って、午前4時半過ぎに山梨県甲州市裂石にあるゲートへやってきました。

早朝だけど1台先客の車が止まっていました。

大菩薩嶺裂石から丸川峠

白み始めた空と大菩薩連嶺。

大菩薩嶺裂石から丸川峠裂石ゲート前駐車場

登山口のある裂石のゲート前駐車場へ到着。

8月に入っても連日の猛暑と熱帯夜。でも車から降りるとひんやりとした空気。

街中と違って山の中の空気は清冽で気持ちいいですね。1年以上振りの登山だから、いつもよりも五感が敏感です。

ここからまず目指すのが標高1650mにある丸川峠。ゲートの標高が1030m程なので標高差620m、距離約2kmの山道を登っていきます。

まだ薄暗い沢沿いの林道を歩いていくと流れる水は豊かで、沢音を辺りに響かせていて賑やかな感じ。

しばらくは勾配の緩やかな道が続き、どん詰まりまで来ると登り口が見えてきました。

大菩薩嶺裂石から丸川峠沢沿いの道

ゲートから歩き始めは沢沿いの荒れた道。

大菩薩嶺裂石から丸川峠への登山道は勾配のキツイ登り

沢沿いを少し歩いた先に見えてきた登り口。ここからキツイ登りの始まりです。

丸川峠へのキツイ道程

ここから一転、胸を突く急な登りで木の根っこがむき出しの、段差のキツイ登りが果てしなく続きます。

風は無いけど猛烈な湿気。吹き出た汗は乾かずボタボタ滴り落ちます。

苦しさのあまり『風が欲しいなぁ』と木々の隙間から見える空を仰ぐも、灰色の雲が山に張り付いて微動だにしません。

今日の天気は曇り時々晴れ。

大菩薩山頂に着く頃には晴れて欲しいな・・・

大菩薩嶺裂石から丸川峠への本格的な登り

序盤からキツイ登り。

前に進むも続くのはキツイ登りだけ。そして見える景色はブナやナラが生茂る深い森ばかり。

最初は体力が有り余っていたからなんとか登れたけど、風が無くて暑いからどんどん体力が奪われて行く感じです。

大菩薩嶺裂石から丸川峠ブナの森

ブナなどの木々が生茂る深い森がどこまでも続きます。

しんどさからふと立ち止まると全くの無音の世界でした。沢沿いを歩いていたときは水の音で煩かったのに。

1時間以上登りと格闘していくと、キツイ登りがいくらか緩んできました。

と思ったら辺りの木々の背が低くなって灌木が広がります。その灌木を抜けると、目の前に芝生を敷き詰めたような草原が広がりました。

丸川峠の草原

キツイ山道を登り切ると草原が見えてきました。

深い森の先にある緑のオアシス丸川峠

草原の先には小さな小屋(丸川荘)が建っていました。どうやら丸川峠へ到着したようです。

小屋の両側はすり鉢状にえぐれていて、斜面には草原が広がっています。時期的にお花がありそうなものの、辺りを見渡しても花はほとんど咲いていません。

おそらくシカに花を全部たべられちゃったんでしょうね・・・。

丸川峠と丸川荘

丸川峠と丸川荘。

丸川荘には人の気配は無く、扉は固く閉ざされていました。

休むのに良さげな岩が近くにあったのでここに腰を下ろしてしばらく休みます。

見上げる空は夏空が雲の切れ間に見え隠れし、そしてここには風が吹いていました。冷たくて心地よい風。でも湿気がひどいので風の割には、身体の汗は乾きません。

水と食べ物を少し口にしてから、丸川峠を後にします。

丸川峠のお地蔵様

丸川峠のお地蔵様は優しいお顔でした。

針葉樹の森と大菩薩嶺山頂

丸川峠を後にして、大菩薩嶺の核心部へ踏み込んでいきます。

草原の斜面を少し登ると、薄暗い森の中へ入りました。

今までの登りで見たブナやナラの木々はここにはもう無く、シラビソやコメツガの苔むした薄暗い森が続きます。
おまけに霧が立ち込め始めたので、一層陰鬱な雰囲気が漂います。

丸川峠の森は霧

丸川峠を過ぎると森に霧が立ち込めてきました。

大菩薩嶺の霧の森

霧が立ち込める幻想的な森の中を進んでいきます。

大菩薩嶺のノリウツギ

薄暗い森の中に咲いていたノリウツギ。

でも森に立ち込める霧が見せる景色は、幻想的で素敵。

ここでこれだけ曇ってんだったら大菩薩嶺山頂はもっと曇っていて展望にはありつけないかもしれません。

この辺りの登山道はゲート~丸川峠間の登りほどキツくはありませんが、見晴らしは無いので単調な登りが続きます。

シラビソやコメツガの木々の高さが幾分低くなり、天井の空間が少し広がると最後の直登。

そして目の前になだらかな丘が見えてきました。大菩薩嶺山頂に到着です。

大菩薩嶺の苔むした登山道

苔むした世界。

大菩薩嶺最後の登り

大菩薩嶺最後の登りに差し掛かりました。

大菩薩嶺山頂

大菩薩嶺山頂です。

大菩薩嶺山頂は誰も居ませんでした。なので独り占めです。

山頂は木々に覆われているので見晴らしはありません。なので山頂を少し下ったところにある展望地の雷岩へ向かいます。

山頂から下ると何人かの登山者とすれ違いました。犬を連れている登山者も居ます。

雷岩へ到着すると森を抜けて眼の前の景色がパッと開けました。

大菩薩嶺山頂から雷岩へ

雷岩へ来ると展望が開けました!

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稜線の記憶