登山した日-2019.4.29
白神山地の最高峰、向白神岳の北側に太夫峰(たゆうみね:1164m)という山があります。
ずいぶん昔にこの山を登った事があって、その時に見た峻険な峰々の連なりに僕は激しく感動しました。白神山地でこんな険しい山の風景を見られると思っていなかったからです。
太夫峰に行きたい・・・あの感動をまた味わいたい。ずっと心の片隅でそう思い続けていましたが2019年のゴールデンウイークに登ることにしました。
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太夫峰登山地図と時間
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【コースタイム】6:20ゲート8:20展望台9:20太夫峰登山口11:30太夫峰11:35直角峰(下山)13:50太夫峰登山口15:00展望台17:10ゲート (計10時間50分)
最寄りの駐車場は白神ラインの途中にある一ツ森駐車場ですが、冬季~5/20頃まで白神ライン閉鎖の為利用不可。
ゴールデンウイークの季節はピッケル・アイゼン必要です。
白神山地へ!
車で夜通し走って早朝に青森県深浦町へ入りました。国道101号線から県道28号線(白神ライン)へ折れると、行く手に残雪を抱いた太夫峰が見えてきました。
やってきた太夫峰。遠かった太夫峰。あともう少しで登山口だ!という期待感は間もなく裏切られることに。間もなく赤いゲートが見えてきました。
『ゲート閉鎖につきこの先通行止め』
5月は残雪で通行止めになっているのは知っていたけど、8km程先にある『一ツ森駐車場』まで行けると思っていたので予想外でした。道路状況をきちんと調べてこなかった僕が悪いんだけど、しょうがないからここに車を停めて歩いて進む事にします。
ちなみに、ゲートから太夫峰登山口まで一ツ森駐車場までの8km+駐車場から登山口まで2kmの合計10kmもあります。10km歩いてまだ登山口だなんて・・・まあ登山ではよくある事。と心に言い聞かせます。
生命の息吹を感じながら
林道は緩やかに蛇行しながら笹内川に沿ってずっと先まで続いています。笹内川は白神山地の核心を源流として、激しい水音をがなり立てながら日本海へ向けて雪解け水を流し続けています。
泡立って白く濁った水面を覗き込むとイワナかヤマメの魚影がちらほら見えて、豊かな生命を感じる川。
朝日に輝く新緑のブナ。白神山地に遅い春の到来です。
前方に太夫峰の白い頂きが見えて来ると、気分がイッキに高揚してきました。
長い林道歩き
歩き始めて1時間が経過。
林道は舗装路からダート道へと代わり、沢から離れて山に向かってのジグザグの登道になりました。今までこだましていた沢音が聞こえなくなると辺りは新緑のブナの森に包まれます。
多少の景色の変化はあっても林道歩きだからやっぱり単調。車で走ればあっという間の道も歩きだとかなりの時間がかかるので全然前へ進んでいる感じがしません。
さっき一時的に見えていた太夫峰の白き頂きも山肌や森に遮られて何も見えず、今自分がどこに居るのか全然分からない。
無理して林道歩きせずに太夫峰登山を中止にすればよかった・・・。そんな事もふと頭によぎります。
展望台で白神山地を一望
景色に大きな変化が現れたのは歩き始めて2時間経った頃。少し広めの路肩が見えてきました。ここはちょっとした展望台になっていて、白神山地を一望出来るビュースポットでした。
雲ひとつ無い青空の下に、向白神岳や白神岳といった山々が僕を取り囲むようにそびえ立っていました。
凄いキレイだ。この景色を見れただけでも来た価値があった!さっきまで頭をよぎっていた太夫峰登山を中止しようなんて気分は、一瞬に消え失せました。
白神山地の主峰、白神岳(1235m)。
写真中央右奥が白神山地の最高峰、向白神岳(1250m)。太夫峰は、写真中央やや左よりの小さなピーク。
展望台を後にすると道路に残雪が横たわるようになってきました。それから程なくして一ツ森駐車場に到着。道路に横たわる豊富な残雪を見れば、とてもじゃないけどこの時期に車でここへは来られないと改めて思い知らされました。
やっとたどり着いた太夫峰登山口
一ツ森駐車場から先の道路は完全に雪。時々足を取られるので歩き辛いです。
林道を歩き続けて、ドーム状にそびえる一ツ森を巻いた辺りで標高670mの一ツ森峠へ到着。
一ツ森峠の先に太夫峰の登山口がありました。到着したのは午前9時20分。ちなみに登り始めたのが6時20分だからジャスト3時間で到着したことになります
登山道へ入るとびっくり!地面はカタクリのお花畑になっていました。踏まないように慎重に足を運びます。
登り始めは尾根筋に沿って進みます。最初は雪が溶けていて歩きやすかったけれど、このあと一面雪原の世界へと変わっていくのです。