白神山地・ブナの森公園(水沢山ブナの森)目覚め始める白神の森へ

登山

登山した日-2014.4.27

2014年4月、秋田県八峰町にあるブナの森公園(水沢山ブナの森)は長い冬から目覚めはじめようとしていました。

ブナの森公園(水沢山ブナの森)登山地図

※地図内の『+-』ボタンや画面タップで拡大縮小できます。

【コースタイム】10:30登山開始→12:35ブナ純林地帯→14:20下山




雪崩の堆積物と落石に怯えながらブナの森公園登山口へ

秋田県八峰町にある水沢ダム。ダム入り口の脇に林道が先へ続いて、この道を終点までの7kmを走ればブナの森公園の登山口へ到着します。

でもこの林道の道幅は車一台がやっと通れる程度で、途中からダート道へと変わるので車で通行する時は要注意。しかもガードレールもない路肩は、所々崩壊していて谷底へ落ちる危険性もあって少しやっかいです。

バイクでしばらく進むとコンクリート橋が見えて来ましたが、その先は雪崩の堆積物(デブリ)で通行不可。だからここでバイクを降りて歩いて登山口を目指すことにしました。登山口までは残り約2キロ。30分程の道程です。

時刻は午前10時半で、登山を始めるにはちょっと遅い時間でした。

早速雪のデブリに取り付いて慎重に横断するとその先もずっと同じようにデブリが堆積して行く手を阻んでいました。これはちょっとやっかいだな・・・・。つま先で思い切り雪面を蹴って靴を雪に食い込ませて滑落しないようにゆっくりと進んでいきます。もしここで滑ったら間違いなく真下の水沢川へ落ちて大怪我は必至。

しかもこの時期こんな所へ人なんて来ないから助けを呼ぼうにも誰も居ないし、深い谷筋だから携帯の電波なんて入らないし・・・。

そう思いながら慎重に慎重にデブリを一つづつクリアしていきました。

いくつものデブリを越えたら雪のない林道が見えてきたのでとりあえず一安心・・・と思ってたら近くの斜面が突然ガラガラ音がして思わずびっくり。道路脇の崖から岩が崩れてきたのです。

林道上には人の頭大の岩が沢山転がっていました。ここに留まるのはちょっと危険だから駆け抜けるように前進していきました。

ブナの森公園の雪の堆積物

行く手を阻む雪崩の堆積物(デブリ)。

ブナの森公園2

慎重にデブリを越えていきます。足を滑らせたら左下の水沢川へ転落。

ブナの森公園登山口

林道を30分程歩いて登山口との分岐点へ到着しました。

目覚め始める森

序盤のデブリ越えで神経を使いまくったから、登山口に到着した頃はちょっと疲れが出てしまいました。

でもここからが登山本番だからこんな所でヘバッてはいけません。大きく息を吸って心を落ち着かせてから登山口へ入りました。

さて今回の登山では、ブナの森公園最高点の795m峰を目指す無雪期なら1時間半もかからないコースを歩きます。

少し荒れ気味の森が広がる中、ジグザグのつづら折りの登りが続きます。とても暑くて汗がスグにドバドバ出てしまう陽気だけど、時折谷筋を吹き抜ける風を身体で受けるととても気持ちいいです。

ブナの森公園はツキノワグマが普通に生息するところなのでツキノワグマに注意しながら歩いています。

突然大きな音を立ててぱっと何かが飛び出てきたので、思わずびくっとして立ち止まって音の方向を見たらそれは丸々太った山鳥でした。山鳥は斜面に沿って滑空するように僕から飛んで逃げていきました。

ブナの森公園早春のブナ

時期的に新緑にはまだ早かったみたい。でも所々萌黄色に芽吹いたブナの木々がありました。

ブナの森公園ブナに包まれながら

ブナに包まれた登り道をひたすら歩いていきます。

ブナの木々

ブナの木々。

ブナの森公園クマにかじられた標識

分岐点にある標識はクマにかじられたり傷つけられてしまってボロボロ。

イワウチワ咲く尾根道を越えて

急斜面をジグザグに続く道を登った先は緩やかな尾根道で、このあたりはイワウチワの群落が広がっています。

10年前の同じ時期にここを通った時は斜面一面イワウチワのピンク色の花で染まっていたのに、今回はどこを見渡しても花がまばらです。

今年は花のハズレ年だったのかな?花期が遅かったのか?それともなんらかの環境の変化で花が咲かなくなってしまったのか?

理由は判らないけれど、でもイワウチワの花がまばらでもそれで良いんです。時期のせいもあってブナの森公園で見る景色の色は、暗い色しかなかったから、花の明るい色との出会いでなんだかホッとするからです。

ブナの森公園のイワウチワ

尾根道へ到達。このあたりはイワウチワの群落地。

白神山地とイワウチワ

イワウチワは白神山地に春を呼ぶ花です。

尾根道から望む白神山地の山々

尾根道から望む白神山地の山々。

ブナの森公園でブナの巨木

尾根道ではブナの巨木達と出会えました。

ブナの森公園のブナ純林

2つ目の分岐点へ到着。この先にブナの純林地帯があります。

ブナの森公園の核心・ブナ純林地帯

林道から歩くことおよそ2時間、お昼12時半頃にブナの純林地帯へ到達しました。

見渡す限りブナブナブナ・・・全部ブナ。ああ今白神山地のまっただ中に身を置いてるんだ!って思い切り実感出来る場所です。

じっとして耳を済ますと何も聞こえません。

実際は風や沢の音が色んな山にこだまして跳ね返ったと思われるようなゴーゴーという音がかすかにしてるだけですが、人間活動の音や鳥のさえずりも聞こえませんでした。

しばらくこの場所でブナを堪能します。

そうしてると僕の周りにいっぱいブヨが寄ってきました。まだ雪に覆われているのに彼らはどこから湧いてくるのか・・・とっても不思議です。

ブナの森公園と残雪

ブナ純林地帯へ突入すると一気に残雪が増えてきます。気温の上昇で雪はすっかり腐っていて歩き辛い。

雪とブナだけの殺風景な光景がどこまでも

雪とブナだけの殺風景な光景がどこまでも。

雪とブナだけ

残雪とブナ。

ブナの森公園

見事なブナの純林が辺り一面どこまでも広がっていて見応え抜群。

ブナの周りだけ雪解け白神山地

木の周りの雪がすり鉢のように溶けています。森のあちこちにこんな景色が広がっていました。

ブナの樹皮

ブナの樹皮。

立ち枯れたブナとサルノコシカケ

立ち枯れた木はたいていサルノコシカケみたいなきのこが木全体に広がっていました。

795m峰の白神山地ブナの森公園

この森の先を行けば795m峰に到達するけど、今日はここで引き返します。またいつか来よう。

795m峰を諦めて下山へ

ブナ純林地帯まで来れば、目指す最高点795m峰まであと30分の道程。でも疲労でこれ以上前進するのがキツくなっていました。

はるばる白神山地へやってきたんだから無理して行こうとも思ったけれど、登山を開始した時間が遅かった事や、序盤林道でのデブリ通過に思わぬ時間と労力をつかってしまったこと。気温が上がって雪が腐りに腐って足を取られてしまうことで、下山が遅くなりそうだからムリせずここで引き返すことにしました。

また日を改めて来ればいいんだから。久しぶりに白神山地へ来れたし、この美しいブナの森を独り占めできたし僕は十分大満足です。さあ帰ろう。

ブナの森公園を下山します

歩いて来た道を下っていきます。

茅長根、次郎左衛門岳

木々の間から見る白神山地南部の山々。左端は茅長根(920m)、右は次郎左衛門岳(946m)。

イワウチワと795m峰

イワウチワ咲く尾根道から見あげた795m峰。

ブナの森公園のツルアジサイ

ブナに纏わり付いてたツルアジサイも芽吹いていました。

白神山地ブナの森公園のキクザキイチゲ

白神山地の山々をいち早く彩るキクザキイチゲ。

ブナの森公園雪のデブリ

登山道から林道へ降りて林道最後の雪のデブリを越えて無事下山。

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