【八ヶ岳】横岳&硫黄岳&赤岳~梅雨の晴れ間に(2)

登山

登山した日-2015.6.28-29

高山植物チョウノスケソウの花を見ようと八ヶ岳の主稜線まで登ったものの花はほとんど咲いていいなくて、それどころか他の高山植物も花数が少なくお花畑に華やかさが全く無いんです。梅雨の晴れ間の八ヶ岳登山登山日記第二弾は横岳から硫黄岳・行者小屋へ向かいます。

咲き乱れないチョウノスケソウ

いつもならこの時期咲き乱れているはずのチョウノスケソウの花が無く、それどころか他の高山植物も花数が少なくてお花畑がとってもみすぼらしい感じなのです。

後ろから男性がやってきました。杣添尾根の最初の休憩で出会った方で、その人もお花畑を見るなり『花が無いなあ~』と嘆いています。

何で花が少ないんだろう?

今年2015年は4月の低温と日照不足、5月の記録的な高温と日照過多、6月の異常な長雨とおかしい天気が続いたからそれが原因かもしれません。折角足を運んでここまでやってきたのに残念。

お花畑の一角に申し訳程度に咲いていたチョウノスケソウをやっと見つけたものの、僕を満足させる花数はありませんでした。

三叉峰のチョウノスケソウ

チョウノスケソウの株。ほとんど花をつけていません。

三叉峰のチョウノスケソウ2

こちらのチョウノスケソウも全然花が無いや・・・。つぼみすらも付いていないのです。

わずかに咲いていたチョウノスケソウ

わずかに咲いていたチョウノスケソウがせめてもの慰めです。

三叉峰のミヤマシオガマ

赤い花のミヤマシオガマは比較的沢山咲いていて、殺風景な岩稜を明るく彩っていました。

横岳を越えて硫黄岳へ

三叉峰から横岳・大権現までのおよそ10分程の尾根歩きでも本来なら、沢山のお花畑を見ることが出来るはずなのに、どこを見渡してもやっぱり花は少なめ。

花を諦めて大権現を登り切り、すぐ先の奥の院の山頂を過ぎるとハシゴや鎖が掛かる難所へ差し掛かります。手掛かりをしっかり確保すればなんて事のない場所だけど、長年の登山者の往来で岩の表面がツルツルに磨かれて滑りやすい場所で、ここを過ぎると登山道は台座の院(2795m)の山頂を巻くように下っていきます。

火山灰と火山礫の乾いた下り坂の先は鞍部になっていて、そこに硫黄岳山荘が建ち、鞍部を挟ん先に硫黄岳の大きな図体が眼前に迫るようにそびえ立っていました。

八ヶ岳イワヒバリ/></p><p class= イワヒバリ。僕の足元近くまで平気で近づいて何かをついばんでいました。

横岳の奥の院

尾根の向こうのコブのように盛り上がった頂が横岳の奥の院。

横岳・奥の院のてっぺん

横岳・奥の院のてっぺん。

横岳・奥の院からの眺望

横岳・奥の院からの眺望は相変わらず素晴らしく赤岳・阿弥陀岳を一望できます。

赤茶けた火山灰の砂礫地を行く。右のピークは台座の院。左奥が硫黄岳

赤茶けた火山灰の砂礫地を行く。右のピークは台座の院。左奥が硫黄岳。

硫黄岳~台座の院間の鞍部に建つ硫黄岳山荘

硫黄岳~台座の院間の鞍部に建つ硫黄岳山荘。

硫黄岳山頂へ

下り道では惰性で歩けたけど、登り返しになるととたんに息が切れて足が止まるようになりました。硫黄岳山荘先の岩場で休んでいると硫黄岳から下ってきた3人組の登山者が声をかけてきます。

登山者『今日はどこ泊まるの?』
僕『赤岳鉱泉泊まろうかと思ってます・・・。』
登山者『そしたら行者小屋の方がいいよ。水がいっぱい出てるしテント場も広いし。うん、行者小屋がいいよ絶対。』

行者小屋の方が赤岳に近い分、明日の行程が楽になる。赤岳鉱泉だと早く登山から開放されて楽になれる。今の体力はどうだろう?杣添尾根の登りですっかりバテている。一刻も早くザックを投げ下ろしたい。

でも赤岳鉱泉から行者小屋までは歩いて40分。たった40分の差を考えれば行者小屋へ行ったほうがいいに決まっている。

この登山者の方が言うように最終目的地は行者小屋に変更しよう。

登山者と別れ、大きなケルンに導かれながら硫黄岳の長いダラダラしたガレ場の登り道を登り切るとだだっ広い岩礫の広がる硫黄岳山頂に立ちました。

硫黄岳の登り返し

硫黄岳の登り返しは緩やかだけど、疲労がかさんだ僕には辛い登りで何度も息が切れて足が止まります。

7つのケルンに導かれながら硫黄岳山頂へ

7つのケルンに導かれながら硫黄岳山頂へ。

硫黄岳山頂北側は目もくらむ断崖絶壁!爆裂火口です

硫黄岳山頂北側は目もくらむ断崖絶壁!爆裂火口です。

広々とした丘のような硫黄岳の山頂

丘のような広々とした硫黄岳の山頂。

硫黄岳から望む北八ヶ岳の山々

硫黄岳から望む北八ヶ岳の山々。

硫黄岳を下って赤岳鉱泉、行者小屋へ

硫黄岳山頂は展望も良く、山頂も広いからゆっくりするには最適の場所。でも僕は山頂には滞在せずそのまま先を急ぐことにしました。

ジグザグに続くザレ場を下ると白い砂地が広がる『赤岩の頭分岐』へやってきました。雪でも積もってるかのような真っ白な砂地はサングラスをかけてないと眩しいくらいです。

分岐点から赤岳鉱泉方面へ足を進めると灌木に包まれ、やがて深い針葉樹に覆われ展望が利かなくなってしまいました。

キツイ斜面の道を1時間くらいかけて下ると道は平坦になって森の中から突然小屋が出現しました。赤岳鉱泉です。

赤岳鉱泉から行者小屋へ向かうと中山乗越のゆるやかな登りで、なんて事のない登りでさえ疲労で思うように登れず何度も足が止まります。何人かの登山者がすれ違いざまにガンバレと声を掛けられると元気が戻って足取りが戻るけど、10秒程しか気力が続きません。

単独のお兄ちゃんに『中山乗越までもう少しだよ』と声を掛けられ、最後の気力を振り絞って坂道を登り切ると標識の建つ中山乗越へ立ちました。そこから先は平坦な道で程なくして行者小屋へ到着しました。

テントを建て終わると疲労で頭がズキズキ痛んで少し吐き気が・・・。急性の高山病的症状が出たのかもしれません。ちょっと横になって休もうか・・・。

赤岩の頭分岐から望む南八ヶ岳の峰々。右から阿弥陀岳、赤岳、左の膨大な山塊は横岳

赤岩の頭分岐から望む南八ヶ岳の峰々。右から阿弥陀岳、赤岳、左の膨大な山塊は横岳。

赤岩の頭分岐~赤岳鉱泉間は鬱蒼としたシラビソの森

赤岩の頭分岐~赤岳鉱泉間は鬱蒼としたシラビソの森が広がる急勾配の下り道で膝足が痛くなる辛い道。

赤岳鉱泉

赤岳鉱泉。キレイな建物で居心地が良さそうです。

シラビソの深い緑と、ダケカンバの鮮やかな黄緑

シラビソの深い緑と、ダケカンバの鮮やかな黄緑。

中山乗越を越えると道は平坦になり、程なくして行者小屋へ到着しました

中山乗越を越えると道は平坦になり、程なくして行者小屋へ到着しました。

行者小屋のテントサイトは広々

行者小屋のテントサイトは広々としてるけど、やや傾斜があって平坦な場所は少ないです。

行者小屋でのひととき

頭の痛みが少し和らいだので外に出ると、行者小屋二階テラスにベンチがあるのを見つけたので夕食とお菓子を持ってそこでまったり過ごすことにしました。

小屋前の広場では登山者が椅子に腰掛けて談笑し、森の中ではホシガラスの鳴き声時々響いています。しばらくすると熊よけ鈴をチリンチリン鳴らしながらやってくる登山者達。

あぁ・・・この音を聞くと今僕は山に居るんだ。と改めて感じる至福の一時。

眺める赤岳はちょっと目を離すと、雲が湧いたり消えたりと結構気まぐれ。時刻が18時半を過ぎ、夕暮れが差し掛かってくると夕日を見ようと小屋の中から登山者が出てきてテラスは賑やかになります。

西の空が紅色に染まり、太陽が最後の光をカッと照らした瞬間、ありとあらゆるものが紅色に染まったと同時に、登山者の歓声が沸き上がりました。

でも赤岳は完全に雲に隠れて夕日に染まった姿を拝むことは出来ませんでした。

夕日も沈み、辺りはすっかり暗くなると人の姿もまばらになって行者小屋に静寂がやってきました。

行者小屋の2階テラスで赤岳の絶景を眺めながらのんびりまったり

行者小屋の2階テラスで赤岳の絶景を眺めながらのんびりまったり。

行者小屋の2階テラスからの展望は最高

行者小屋の2階テラスからの展望は最高でした。

午後の陽射しに輝く赤岳

午後の陽射しに輝く赤岳。

日が傾くに連れて赤岳はどんどん紅くなってきます

日が傾くに連れて赤岳はどんどん紅くなってきます。

夕日が最高潮を迎えた時、赤岳は雲の中

夕日が最高潮を迎えた時、赤岳は雲の中。

陽が落ちた行者小屋は夕日を見る人もまばらになって静かな山の夜がやってきました

陽が落ちた行者小屋は夕日を見る人もまばらになって静かな山の夜がやってきました。

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【八ヶ岳】横岳&硫黄岳&赤岳~梅雨の晴れ間に(3)
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【八ヶ岳】横岳&硫黄岳&赤岳~梅雨の晴れ間に(1)
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