登山した日-2019.6.21~22
南アルプスの主峰、北岳(3193m)は、6月下旬の山開きと同時に色とりどりの高山植物が咲き始めます。久しぶりに花たちと会いたい!という事で今回は山開きにあわせて訪れてみました。
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今回歩いた北岳の地図とコースタイム
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【1日目】7:10広河原山荘登山口9:10白根御池小屋9:50二俣13:10八本歯ノコル15:00北岳山荘到着 (計7時間50分)
【2日目】5:00北岳山荘出発6:30北岳山頂7:10北岳肩ノ小屋(草スベリコース)9:00白根御池小屋10:50登山口下山 (計5時間50分)
広河原から目指せ北岳
前日に山梨県の芦安駐車場で車中泊。翌日はここからバスに乗って、登山口のある広河原へ向かいます。
朝5:30のバスに乗り込んだ登山者は僕を含めて20数人程。山開き初日だから大混雑してるのかと思いきや、少なめでした。
![北岳登山・芦安駐車場](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita01.jpg)
芦安駐車場を出発したバスは、車一台が通れるような狭い林道をゆっくりと駆け上がっていきました。
時々対向車が来ると、すれ違うのに時間をくらいます。道路の片側は奈落の断崖だからちょっと怖い。運転手さん、脱輪しないでね!マジで。
そんなバスに揺られる事およそ1時間30分で広河原に到着。バスから降りた時は命があってほっとした感じ。目の前には北岳が朝日に輝いて遠くにそびえていました。
![北岳大樺沢出合の吊り橋と北岳](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita02.jpg)
さあ、今からあの頂きを登っていきます。
![北岳大樺沢出合から望む北岳](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita03.jpg)
吊橋を渡った先にある広河原山荘で入山届けを出します。まわりの森から聞こえるエゾハルゼミの合唱がとても爽やか。
![広河原山荘](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita04.jpg)
白根御池小屋へ
最初に目指すのは標高2236mにある白根御池小屋。地図でのコースタイムはおよそ3時間、標高差700mの手強い登り。でも序盤だから体力が有り余っていて、順調よく登っていきます。
![白根御池小屋への登り](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita05.jpg)
白根御池小屋に着きました。ちょっとここで一服~
![白根御池小屋](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita06.jpg)
白根御池小屋のすぐそばに『白峰御池』という小さな池があって、北岳を右奥にチラリと望めました。
ここから見る北岳は随分近く感じるんだけど、目の錯覚です。まだまだ先ですから。
![白根御池](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita07.jpg)
白根御池小屋から大樺沢の二俣へ
白峰御池は二俣方面と草スベリ方面との分岐点になっています。
これは草スベリで、見上げるとかなりの急斜面。ちなみに、明日は北岳からこの草スベリの道を下る予定。
![草すべり](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita08.jpg)
白根御池から二俣へ向かうとダケカンバの灌木の斜面をトラバース気味に歩いていきます。
![白根御池から二俣へ](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita09.jpg)
灌木を抜けた先は二俣と呼ばれる分岐点。
大樺沢に横たわる大きな雪渓が出現します。これからこの雪渓を登って、次のポイント『八本歯ノコル』を目指します。
![北岳二俣と雪渓](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita10.jpg)
大樺沢に咲いていたミヤマハナシノブ。ブルーの花色がとても神秘的で美しい。
![北岳大樺沢に咲いていたミヤマハナシノブ](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita11.jpg)
雪渓上から見上げた北岳は、もう懐深くに入ったせいか山頂は見えません。
二俣で休憩して体調も整ったし、さあ雪渓を登っていくぞ!という事で写真左側の雪渓をこれから登ります。
![大樺沢から見上げる北岳](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita12.jpg)
大樺沢雪渓を越えて
サクッ、サクッ、サクッ。と、小気味良い音を立てながら雪渓の上を登ります。
雪渓の上は涼しいから身体が火照ってもすぐにクールダウン。だから歩いていて快適だ・・・なんて思えたのは最初だけ。
傾斜がキツくなってくるに連れて、体力は急激に消耗してペースダウン。
長大な雪渓は歩いても進んでる感じがしなくて、目指す八本歯ノコルはまだ遙か先。
![大樺沢雪渓を登る](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita13.jpg)
北岳の巨大な岩壁、通称『北岳バットレス』。圧倒的な威圧感で、今にも押しつぶされそう。
![大樺沢雪渓から見上げる北岳バットレス](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita14.jpg)
雪渓を半分ほど登りました。もうすっかり体力はゼロ。2~3歩歩いたら息が切れて足が進みません。
振り返ると大樺沢の深い谷筋と、鳳凰三山の山並み。
![北岳大樺沢沢から望む鳳凰三山](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita15.jpg)
鳳凰三山の地蔵岳をズームアップ。この辺の山はまだ登った事がないから、いつか行ってみたいですね。
![鳳凰三山の地蔵岳](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita16.jpg)
あともう少しで雪渓を登り切れる・・・頑張れ!超頑張れ!
![大樺沢上部](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita17.jpg)
で、なんとか雪渓を登り切ると、次に待ち構えていたのがこのガレ場。
地面は脆くて、足で踏むとズルズルと崩れ落ちる始末。
![北岳大樺沢上部ガレ場](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita18.jpg)
八本歯ノコルの試練
ガレ場を越えると、今度は急な岩場や階段が連続。この辺は本当にキツかった。
![キツイガレ場の登り](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita19.jpg)
北岳バットレスは雪渓で見た時よりも、さらにボリューム感を増していました。
すごい景色だ!ずっと眺めていたいけどそういう訳にもいかないので。先へ進まないと・・・。
![北岳バットレスと青空](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita20.jpg)
前方のハイマツの海の向こうに小さな標識が見えました!
あそこが八本歯ノコルに違いない!もう少しでこの地獄の登りから開放される~!
![八本歯のコルまであと少し](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita21.jpg)
標高およそ2830m。八本歯ノコルに到着。今日一番の難所をなんとか踏破できました。
でも身体はクタクタで正直もう限界。ここで長時間休もう。
![八本歯のコルへ到着](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita22.jpg)
八本歯ノコルの脇にそびえ立つ八本歯ノ頭。
![八本歯ノ頭の頂](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita23.jpg)
八本歯ノコルに立つと、景色が大きく変化しました。
今まで見えなかった間ノ岳、農鳥岳方面の展望が開けて壮大な景色が眼前に広がったのです。
膨大な山容の間ノ岳に、残雪と新緑の色合いが絶妙なバランスなのがすごくいいです。この景色を見るだけでも苦労した甲斐がありました。
![八本歯のコルから望む間ノ岳、農鳥岳](https://ryosen.main.jp/wp-content/uploads/2022/07/kita24.jpg)
さて、景色の変化はこれだけではありませんでした。
今までの登りで見かった高山植物の花々が、ここから沢山現れることになるのです。