奥秩父・真夏の木賊山&甲武信ヶ岳&雁坂嶺縦走記(最終)

登山

登山した日-2015.7.14-15

西破風山、東破風山、雁坂嶺の稜線で感じた豊かな自然と素晴らしい夏の景色に歓喜し続けた縦走記最終章です。

ガスに包まれる賽の河原

甲武信小屋を後にして木賊山の平坦な巻き道を10分程歩いて稜線に出て、ここから少し下ると砂地の斜面に出ました。ここは『賽の河原』と呼ばれる荒涼とした場所。

行く手には西破風山(2317m)が大きく立ちはだかるものの、笠雲に覆われて頂上部は見えません。雲が取れないかとしばらく待ってみても天気が良くなる気配は無く、逆に賽の河原全体もガスに包まれて視界がゼロになってしまいました。

針葉樹の森が広がる薄暗い木賊山の巻き道

薄暗い木賊山の巻き道を行く。

木々の隙間から甲武信ヶ岳の三角の山が見えるけど、写真右側に見えるはずの三宝山はガスに包まれて見えず

木々の隙間から甲武信ヶ岳の三角の山が見えました。さようなら!

木賊山~西破風山の主稜線

巻き道を10分程歩いて木賊山~西破風山の主稜線と合流。ここから西に延びる尾根道を雁坂峠まで歩いていきます。

甲武信ヶ岳木賊山賽の河原

賽の河原は開けた場所で、西破風山を望めるけれど山頂部は雲に覆われてよく見えないや。

甲武信ヶ岳木賊山倒木が目立つ荒れ果てた森の中を前進

西破風山に近づくと倒木が目立ってきました。ちょっと不気味な雰囲気が漂います・・・。

甲武信ヶ岳木賊山ひどい倒木

ひどい倒木・・・この辺りは風の通り道なんでしょうか?

甲武信ヶ岳木賊山立ち枯れた荒涼した森にガスがかかると幻想的な光景になるけどちょっと薄気味悪いかも

立ち枯れた森にガスがかかると幻想的な光景になるけどやっぱり薄気味悪いかも。

木賊山~西破風山の中間鞍部に建つ破風山避難小屋(旧笹平避難小屋)

木賊山~西破風山の中間鞍部に建つ破風山避難小屋(旧笹平避難小屋)へ到着。

甲武信ヶ岳木賊山破風山避難小屋の中はキレイです

破風山避難小屋の中はキレイです。最近建て替えられたばかりみたい。

西破風山へのみちのり

賽の河原を過ぎると立ち枯れた木が目立つようになります。白骨化した木々がガスに煙るとなんだか幻想的ですが、人の姿にも見えてなんだか不気味な感じです。

木賊山と西破風山の中間に建つ『破風山避難小屋』を過ぎると、西破風山のキツイ登り返しに差し掛かりました。

ちょうどその時纏わりついていたガスがスーッと消え去って真っ青な空が広がり、木賊山や甲武信ヶ岳やさらに富士山まで姿を見せたのです。もう今日は一日ガスでダメかと思っていたからこの瞬間は嬉しくて感極まりました。

でも丁度西破風山の登りで手こずっていたから、ずっと嬉しさに浸る余裕も無く・・・息が切れて何度も足が止まります。なんとか踏ん張って西破風山の山頂へ立ちましたが、山頂は木々に覆われて何も見えませんでした。

破風山避難小屋を過ぎると破風山の登り返しに差し掛かります。辺りは再び深い森へと変化

破風山避難小屋を過ぎると破風山の登り返しに差し掛かります。

西破風山の登り途中で突然ガスが晴れて澄み渡った青空が広がると同時に展望が開けます

西破風山の登り途中でガスが晴れて展望が開けます。

振り返れば木賊山、甲武信ヶ岳、三宝山が大きな山体を見せてそびえていました

振り返ると木賊山(左)、甲武信ヶ岳(真ん中あたり)、三宝山(右)がそびえていました。

西破風山の上部は森林限界の様相

西破風山の山頂直下。登りがキツくてしんどいです。

西破風山山頂

西破風山山頂は木々に包まれて展望にはありつけませんでした。

破風山の稜線漫歩

西破風山を後にして雁坂嶺(2289m)を目指します。

ゴツゴツした岩が積み重なる痩せ尾根上を歩いて行きますが、ここから展望が開けるので絶景を堪能しながらの登山が出来ました。幾重も続く山並みの向こうには富士山や南アルプス。背後には歩いて来た甲武信ヶ岳や奥秩父の山々を眺めながらの登山は至福のひととき。

小さなアップダウンを繰り返して東破風山のピークを越えると急な下り道になって、ちょうどその辺りで雁坂嶺の頂を眼前に捉えました。進んで行くに連れて雁坂嶺は幾分山容を変化させながら視界に大きく迫ってきて、最後の登りに差し掛かると山頂はただの平凡な丘として立ちはだかります。

キツかった破風山の登りとは対照的に、緩やかで単調だった雁坂嶺山頂を踏んだのは午前9時40分。ここも展望は無く木々に覆われていました。

西破風山~東破風山間は見晴らし爽快な稜線漫歩

西破風山~東破風山間は見晴らし爽快な稜線漫歩。

甲武信ヶ岳木賊山富士山をズーム

富士山をズーム。

東破風山の山頂は西破風山同様木々に包まれています

東破風山の山頂は西破風山同様木々に包まれています。

東破風山を下るとなだらかな山容をした雁坂嶺が見えてきました

東破風山を下るとなだらかな山容をした雁坂嶺が見えてきました。

近づいて来た雁坂嶺

近づいて来た雁坂嶺。

雁坂嶺山頂も木々に包まれていて展望はイマイチ

雁坂嶺山頂も木々に包まれていて展望はイマイチ。

雁坂峠を越えて下山へ

雁坂嶺山頂から雁坂峠へ下ります。細く貧弱な針葉樹の森の中を20分程下り続けると眼の前に緑の草原が見えてきました。雁坂峠へ到着です。

ここでゆっくりしてると、古礼山方面から一人の男性がやってきました。話をすると、昨日奥多摩駅から登り今日ここまでやってきたそうで、金峰山まで縦走するとの事。すごいバイタリティな人なぁ・・・って感心しながらしばし山談義。男性は今日甲武信小屋にテント張るみたいだけど、明日は台風の影響がもろに出るし大丈夫かな・・・。

男性と別れて雁坂峠から『道の駅みとみ』まで一気に下ります。広がっていた草原は高度を下げるに連れていつしか樹林帯となります。

ジグザグの下り道だけど、勾配は普通だし辺りはササや広葉樹の森が広がっていて歩いていて快適です。昨日歩いた戸渡尾根の陰鬱でキツイ山歩きと比較するとここは天国です。とはいうものの雁坂峠から道の駅までは約5時間のロングコース。だんだん足に痛みが走るようになると余裕が無くなってきました。

沢沿いまで降りると、道は沢と並行して続いたり沢を横断したり対岸を高巻いたりと変化しながら歩き続け、ようやくアスファルトの道が見えてきました。

さらに1時間程歩き続けて、雁坂トンネル料金所を過ぎ国道140号線に出たのは13時前。疲労と暑さにヘロヘロになりながら西沢渓谷の駐車場へ戻ります。その道すがらに見た木賊山の頂は、昨日今日あの頂のてっぺんに居たなんて実感がわかないくらい彼方にそびえ立っていました。

雁坂嶺を後にして森のなかを雁坂峠へと下ります

雁坂嶺を後にして森の中を雁坂峠へと下ります。

雁坂嶺を30分程下ると雁坂峠の草原が広がり古礼山(2112m)が見えてきました

雁坂嶺を30分程下ると雁坂峠の草原が広がり古礼山(2112m)が見えてきました。

爽やかな草原が広がる雁坂峠

爽やかな草原が広がる雁坂峠。居心地最高です。

雁坂峠から富士山方面を望むも富士山は雲に隠れて見えなくなっていました

雁坂峠から富士山方面を望むも富士山は雲に隠れて見えなくなっていました。

雁坂峠から望んだ国師岳はボリューム感いっぱい

雁坂峠から望んだ国師岳は重厚な山容。

雁坂峠を下るとだんだん樹林帯へ

雁坂峠を下ると樹林帯へ入ります。

甲武信ヶ岳木賊山雁坂トンネル料金所と雁坂嶺

雁坂トンネル料金所と雁坂嶺。

道の駅みとみまで降り立ちました。そこから見上げた木賊山は相変わらず雄大な山容でそびえ立っていました

道の駅みとみまで降り立ちました。そこから見上げた木賊山は相変わらず雄大な山容でそびえ立っていました。

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木賊山・甲武信ヶ岳・雁坂嶺で見た花・高山植物
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