ゴールデンウイークに行く白神山地・白神岳登山【後編】

登山

登山した日-2014.4.29

ブナの森を抜けると急峻な雪面が待ち構えていました。ここで足を滑らせたら大怪我必至。雪面にしっかり足を食い込ませて慎重に登っていくと、見晴らしの良い展望地へ立ちました。

森林限界を過ぎて白神岳主稜へ

ここはもう森林限界で視界を遮る物は何ひとつありません。足元には蟶山(まてやま)まで続く白い尾根が続き、その先は青い日本海が地平線一杯に広がって爽快な景色でした。眼前には白神岳が手の届く距離にあって登山も大詰めを迎えます。

森林限界まで来れば白神岳の主稜まではあとわずか。だけどココが本コースで一番勾配がキツイ難所です。息を切らしながら雪の傾斜を登り切って尾根上へ立つと東側の展望が開けて、白神山地最高峰の向白神岳が視界に飛び込んできました。

アルペン的な向白神岳の姿を背にして、なだらかな起伏が続く白神岳の尾根筋を歩いていきます。尾根から張り出した雪庇を踏み越え、ササ藪を右へ左へ避けながら、三角屋根の白神岳避難小屋とトイレの小屋まで来ると目と鼻の先に白神岳山頂がありました。

時計を見たら午前8時35分。太陽はすっかり昇って山頂は暖かい空気に包まれていました。

森林限界から望む白神岳

森林限界から望む白神岳。山頂は目と鼻の先です。

白神岳から延びる山裾はどこもまだ雪で真っ白

白神岳から延びる山裾はどこもまだ雪で真っ白。

白神岳と日本海

西側は日本海が広がる景色が一面展開。写真右の尾根が蟶山(まてやま)。

蟶山をズームアップ。標高は841mあります

蟶山をズームアップ。標高は841mあります。

白神岳主稜線

森林限界から最後の斜面を登って白神岳主稜へ出ると東側の景色が開けました。

白神岳から向白神岳

一際険しくそびえるのは白神山地最高峰の向白神岳(1250m)。

広大な白神山地

誰も居ない白神岳山頂からは360度の絶景を堪能できました。今まで何回も白神山地へやってきたけどこんなに白神山地を見渡せるなんて初めて!

南側を望むと森吉山や岩手山、秋田駒ヶ岳、東には向白神岳と岩木山。さらに遠く八甲田連峰が見渡せます。

山ばっかしの景色に飽きて西を向くと青い日本海が眼下に広がり、時間を忘れてしばらく見入ってしまいました。

白神岳主稜は台形状のなだらかな尾根道。向こうに白神岳山頂が見えてきました

白神岳主稜は台形状のなだらかな尾根道で向こうに山頂が見えてきました。

写真中央の三角の建物はトイレ。その右側が白神岳山頂

祠の向こうに見える三角の建物はトイレ。写真右端が白神岳山頂。

白神岳山頂へ到着です

白神岳山頂へ到着です。

広大な白神山地がどこまでも

広大な白神山地がどこまでも。

白神岳避難小屋と後ろに向白神岳。さらに後方に岩木山がそびえます

白神岳避難小屋と後ろに向白神岳。さらに後方に岩木山がそびえます。

白神岳から望む八甲田山

遠く霞に浮かぶ八甲田連峰。

向白神岳の景色を堪能しながら休憩しました

向白神岳の景色を堪能しながらしばし山頂で休憩しました。

帰路へ

山頂の傍らに立つ避難小屋のそばで一人のおじさんが食事をしていました。日本百名山をはじめ、200名山、300名山を制覇中だとの事でしばらく話をしたあとそのおじさんは蟶山を目指すと言って先に山頂を後にしていきました。

その歩いている姿はとても年配の人とは思えない、のしのしと山慣れした歩き方であっという間に視界の点となってしまいます。

午前9時に白神岳山頂を後にしました。帰る頃は気温の上昇のせいで雪は腐って足を取られやすくなっていました。それでも雪に嵌ること無く白神岳主稜から蟶山方面の尾根を一気に下っていきます。

視界に映るのは絶えず『白い雪』と、『灰色のブナの木々』と『青い海』。これら3つの景色をまとめて見るというのも今の時期の白神山地の魅力の一つかも。

ブナの森を過ぎ、蟶山下の『最後の水場』を越えてアオモリヒバが覆い茂るあたりまで降りるとカタクリやシラネアオイの花が登山道を彩っていました。

アオモリヒバの森を抜けて登山口近くまで来ると新緑のブナで辺りが黄緑色に染まってとても綺麗。そしてほどなくして登山口へ降り立ちました。

駐車場まで戻ったのは午前11時20分。肌がジリジリと焼けるような陽射しが降り注いでいて、白神の麓は初夏の陽気にすっかり包まれていました。

白神岳山頂を後にして帰路につきます

白神岳山頂を後にして帰路につきます。

山頂で出会ったおじさんはすっかり遠く先へ

山頂で出会ったおじさんはすっかり遠く先へ。

向白神岳と岩木山をズーム

向白神岳と岩木山をズーム。

白神岳稜線漫歩。気分爽快!

白神岳稜線漫歩。気分爽快!

日本海と舮作崎と風力発電群

日本海と舮作崎と風力発電群。

白神岳主稜を外れて、これから写真右側の尾根(蟶山方面)を下ります

白神岳主稜を外れて、これから写真右側の尾根(蟶山方面)を下ります”。

下山中に振り返れば白神岳。さようなら!また何時か来るよ

振り返れば白神岳。さようなら!また何時か来るよ。

白神山地の山々を眺めながらの下り

白神山地の山々を眺めながらの下り。

残雪とブナの森

残雪とブナの森。

ブナの森の向こうに見える麓

ブナの森の向こうに見える麓。

シラネアオイ

ブナの森を抜けてアオモリヒバの森まで下山。そこでシラネアオイと出会いました。

白神岳登山口ブナの新緑

登山口付近のブナの森はすっかり新緑色に染まってました。

白神岳登山口まで無事下山

白神岳登山口まで無事下山。

麓から見上げた白神岳

帰り際に林道から見上げた白神岳。ほんの数時間前はあのてっぺんに居たなんて実感が沸かないほど悠然とそびえていました。

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稜線の記憶