裏磐梯から目指す盛夏の磐梯山【前編】

登山

登山した日-2020.8.10

2020年の夏休みは福島県の磐梯山へ登ってみる事にしました。

磐梯山は1888年の大噴火で山体が吹っ飛んでえぐれてしまい、それが独特の山容となっているのが特徴的ですが、磐梯山北側にある『裏磐梯コース』はその噴火跡の真っ只中を歩く事が出来ます。磐梯山を歩くならここがイイなと思い、今回は裏磐梯コースを利用します。

※この記事は全2ページあります。

磐梯山・裏磐梯のコースと時間

※地図内の『+-』ボタンや画面タップで拡大縮小できます。

5:00裏磐梯スキー場登山口6:00噴気口分岐6:40櫛ヶ峰直下7:20弘法清水小屋7:45磐梯山山頂(8:40下山開始)10:00裏磐梯スキー場分岐10:40銅沼11:20裏磐梯スキー場登山口着  (計6時間20分)




裏磐梯スキー場から目指せ磐梯山

真夜中に自宅を出て高速道路をひた走ることおよそ4時間半、午前4時に登山口のある裏磐梯スキー場に到着しました。車から出るとひどい湿気と蒸し暑さ。おまけに蚊の大群で耳や顔をいっぱい噛まれました・・・。

磐梯山裏磐梯スキー場駐車場

裏磐梯スキー場のゲレンデに沿って登っていきます。

空模様は生憎の曇り空。昨日までこの辺は梅雨空模様みたいだったけど今日の天気予報は晴れなので、このあと晴れる事を期待します。

磐梯山裏磐梯スキー場駐車場の登山口

スキー場の向こうに磐梯山の爆裂火口壁が見えたものの、磐梯山の山頂はまだ見えず。

磐梯山裏磐梯スキー場から望む磐梯山

ゲレンデの上まで登った所に、ちゃんとした登山口がありました。ここで後ろからやって来た登山者と出会います。
話をすると『櫛ヶ峰(くしがみね)』を目指しているそう。

顔は真っ黒に日焼けしていて普段からガッツリ山をやってそうな感じです。僕を追い越して行ったあとすぐに見えなくなりました。

磐梯山裏磐梯櫛ケ峰方面

『僕もあの人に負けないようにガンガン進まなきゃ!』と気負いするものの、身体はついていけず・・・日頃の運動不足を実感してちょっと悲しくなります。

辺りは薄暗いジメジメした森が広がっていました。相変わらず蚊が多いから立ち止まって休めません。

裏磐梯の深い茂栄

やがて森が切れると、眼の前に爆裂火口壁の荒々しい山肌が出現して思わず興奮。ちなみに写真左が櫛ヶ峰で標高1636m。磐梯山を構成している山の一つです。

磐梯山の爆裂火口が見えてきた

磐梯山の火口原を行く

川上登山道と合流する『噴気口分岐』付近までやってきました。

今までの鬱蒼とした森の景色から一変して、岩と瓦礫の荒涼とした火口原が広がります。もうここは1888年に大爆発した火口の中心地で、時折漂う硫黄臭が僕の鼻を刺激します。

川上登山道と合流

迫る櫛ヶ峰の険しい姿。

火口原から櫛ヶ峰を望む

火口壁に囲まれた火口原は異様な雰囲気。人が立ち入っちゃダメというか神の領域というか・・・そんな感じ。

磐梯山裏磐梯の火口原

火口原を真っ直ぐ進んで、写真真ん中の尾根上まで登っていきます。

ちなみにこの辺は大雨時は土石流で危なそうだし、霧がひどいときは道迷いしそう。

磐梯山裏磐梯の火口原を進む

荒々しい爆裂火口が僕の周りを囲んでいて、その威圧感に心が圧迫され気味です。

磐梯山の爆裂火口2

火口壁を登って主稜線へ

火口原から火口壁へ取り付くと厳しい急登が連続します。

周りは意外にも樹林帯で展望は無く、今僕がどの辺まで登ってるか良くわからない感じ。『山と高原地図』だとここのコースだけ破線になっていて難易度が高いことを伺わせます。

特に危なっかしい箇所は無いけど、勾配がキツイので下りで歩くとしんどいかも。

再びきつい登り

火口壁を登る途中で、ちょっとだけ展望が開けて眼下の火口原を望めました。

所々まだ噴気が出ているところがありました。(写真中央左寄り)

写真右手に銅沼(あかぬま)が見えて、ここは下山時に立ち寄る予定。

磐梯山の火口原を上部から見下ろす

迫力ある爆裂火口壁。

爆裂火口壁ズーム

樹林帯を抜けると草木の少ない荒涼とした風景に様変わり。もうすぐ主稜線上に到着しそうです。

磐梯山の主稜線へ

主稜線上の『櫛ヶ峰直下』に到着すると、見晴らしが一気に開けて磐梯山本峰の姿を始めて捉えました!

三角形の端整な山容と、草原の緑に包まれた磐梯山本峰が天に向かってそびえ立つ姿は『素晴らしい!』の一言です。

美しい磐梯山

櫛ヶ峰直下から、櫛ヶ峰を見上げてみました。山頂までの距離はここから片道40分くらいでしょうか・・・?
登ってみたいけど、ここまでの登りで疲れまくってるからまた今度。

櫛ヶ峰の山容

序盤で僕を追い越して行った登山者は、もう櫛ヶ峰に取り付いていました。

櫛ヶ峰と登山者

磐梯山の爽快な主稜線

磐梯山。山頂にまとわり付いてる雲も、太陽が昇るに連れて消えていきました。

磐梯山本峰

火口原を見下ろします。ここが100年ちょっと前に大噴火したんだ・・・。

稜線から爆裂火口を望む

遠くには裏磐梯の五色沼も見渡すことが出来ました。朝もやでクッキリ見えなかったけど、見えただけで十分。

裏磐梯の五色沼を望む

櫛ヶ峰直下からずっと向こうまで続く爆裂火口壁。これから磐梯山山頂直下までの間、この爆裂火口壁の上を歩いていきます。

爆裂火口壁の淵を歩く

爆裂火口壁の上は展望を遮る樹木は無く、高山地帯のような爽快な稜線歩き。

ここまでの道のりはしんどかったけど、来て良かった!と思えるほどに気持ちいい所でした。

磐梯山の気持ち良い稜線歩き

どんどん迫る磐梯山は、このあと真夏の青空を背にギラついた日差しを浴びて一層映えていきます。

磐梯山本峰が近づいてくる
次の記事へ/磐梯山の頂上に立つ

この時見た磐梯山の花や高山植物も紹介しています。こちらの記事へどうぞ↓

磐梯山で見た花、高山植物 (8月)
撮影日-2020.8.10 8月に裏磐梯スキー場から磐梯山を登った時に見た花です。この時期になると山は『キクの仲間』『キキョウの仲間』の花が中心になります。つまり秋の花です。 麓は盛夏でも山はひと足早く秋の季節が訪れていたようです。 ※この...
登山東北の山
スポンサーリンク
ryosenをフォローする
稜線の記憶