谷川岳&一ノ倉岳&茂倉岳~初夏の息吹(2)

登山

登山した日-2015.5.22

美しい新緑と青空と残雪と花々に出会うことが出来た谷川連峰核心部登山日記第二弾。ツライ西黒尾根を登り切って谷川岳の絶頂に立つとそこにはすばらしい展望が広がっていました!

登山した日-2015.5.22

西黒尾根を登り切って谷川岳の絶頂へ

西黒尾根終盤まで登ると、『氷河の跡』と呼ばれる岩石地帯に差し掛かりました。岩溝に沿って続く登山道には残雪が詰まってたので滑り落ちないように慎重に越えていきます。

続いて見えてきたのはドーム状の岩『ザンゲ岩』。登山道はザンゲ岩を避けるように続いているから、直接この岩を登ることは無いけれど、急勾配はここでピークを迎ました。

ザンゲ岩をを真下に望むようになったら、今までの急勾配がウソのように緩やかになって谷川岳の『肩』のような所に出ました。

緩やかなササ原の斜面を歩いていくと、大きな雪田が横たわっています。すっかり陽が出て気温も上がってるから、雪面は腐りかけて踏むとサクサクで心地よい感触が足に伝わります。雪田を過ぎたら緩やかな尾根をホンの少し歩いて谷川岳トマの耳のてっぺんに到着です。

西黒尾根の登りはいよいよ終盤。『氷河の跡』『ザンゲ岩』に差し掛かる頃です

西黒尾根の登りはいよいよ終盤へ。『氷河の跡』『ザンゲ岩』に差し掛かる頃です。

谷川岳西黒尾根『氷河の跡』は黒々としたむき出しの岩場です

『氷河の跡』は黒々としたむき出しの岩場です。

谷川岳氷河によって削られて表面が平らになった岩

氷河によって削られて表面が平らになった岩。

氷河の跡を過ぎて今度はザンゲ岩へ。左側のコブのように突き出たのがザンゲ岩です

氷河の跡を過ぎて今度はザンゲ岩へ。左側のコブのように突き出たのがザンゲ岩です。

谷川岳ザンゲ岩を間近に。ここを越えれば傾斜は緩やかになって長かった西黒尾根の急登とはお別れ

ザンゲ岩を間近に。ここを越えれば傾斜は緩やかになって長かった西黒尾根の急登とはお別れ。

ザンゲ岩を越えた先から西黒尾根を見下ろします

ザンゲ岩を越えた先から西黒尾根を見下ろします。いやぁ~よくここまで登って来れたなーって自分に感心。

谷川岳山頂はもうすぐ。左のピークがトマの耳(1963m)、右のピークがオキの耳(1977m)

谷川岳山頂はもうすぐ。左のピークがトマの耳(1963m)、右のピークがオキの耳(1977m)。

谷川岳緩やかな斜面に横たわる大きな雪田を上を歩いて

緩やかな斜面に横たわる大きな雪田を上を歩いて。

雪田を越えると谷川岳トマの耳山頂は目と鼻の先。あともう一息です!

雪田を越えると谷川岳トマの耳山頂は目と鼻の先。あともう一息です!

谷川岳トマの耳山頂に到着しました

谷川岳トマの耳山頂に到着しました。

谷川岳のてっぺん!

時計を見たら時刻は8:45。澄み渡った空に360度広がる大絶景!そんなコンディション最高の谷川岳山頂には意外と誰も居ませんでした。

間近にそびえる谷川岳オキの耳山頂にも人影はありません。トマの耳直下に建つ山小屋『肩の小屋』の周りにも人影はありません。つまり・・・このすばらしい景色を独り占めということです!

西を向けば登って来た西黒尾根。北にはこれから向かうオキの耳・一ノ倉岳・茂倉岳の頂が連なっています。東にはオジカ沢の頭・万太郎山・仙ノ倉山の長大な稜線。遥か遠くには北アルプス白馬連峰や富士山まで見渡せました。

続いて谷川岳もう一つの山頂、オキの耳に行ってみます。トマの耳から吊尾根を歩いて10分程の場所にあります。オキの耳もトマの耳と同じくスバラシイ展望が広がっていました。

いつまでもここに居たいなぁ。ずっとこの景色を見ていたいな・・・。と言いたい所だけど、土樽駅の電車の時刻を考えると長居はできません。少しだけ休んでトマの耳山頂を後にして次なる目的地、一ノ倉岳を目指して谷川岳山頂を後にします。

谷川岳オキの耳から望むトマの耳、一ノ倉岳、茂倉岳の連なり

谷川岳オキの耳から望むトマの耳(右)、一ノ倉岳(真ん中)、茂倉岳(左)の連なり。

山頂東側足元はマチガ沢の奈落の底。写真右側の尾根が登って来た西黒尾根で、左側は東尾根になります

山頂東側足元はマチガ沢の奈落の底。写真右側の尾根が登って来た西黒尾根で、左側は東尾根になります。

山頂西側の展望。山小屋『肩の小屋』から続く長い稜線にはオジカ沢の頭、万太郎山、仙ノ倉山といった主峰群が屏風のように連なっています

山頂西側の展望。山小屋『肩の小屋』から続く長い稜線にはオジカ沢の頭、万太郎山、仙ノ倉山といった主峰群が屏風のように連なっています。

谷川岳オキの耳山頂

谷川岳オキの耳山頂。

オキの耳山頂からトマの耳を望む

オキの耳山頂からトマの耳を望む。

オキの耳から見下ろす一ノ倉沢。湯桧曽川流れる谷を挟んで朝日岳がそびえ立ちます

オキの耳から見下ろす一ノ倉沢。湯桧曽川流れる谷を挟んで朝日岳がそびえ立ちます。

朝日岳をズームアップ

朝日岳をズームアップ。いつか登ってみたい!と思う程ボリュームある山容ですね!

谷川岳オキの耳山頂直下に咲くミネザクラ

オキの耳山頂直下に咲くミネザクラ。

高度感たっぷりの一ノ倉沢主稜線と『ノゾキ』

オキの耳山頂に建つ鳥居や祠を通り過ぎると、ガレ場の下りになりました。一面のササ原にいじけたシャクナゲやハイマツ、ミネザクラといった背の低い灌木が交じる中を下って行くと、初めて人と出会いました。

お互いの行き先と登山気をつけて!の言葉を交わして別れます。ちなみに登山者と出会ったのはこれが最後。土樽駅へ降りるまでその後は誰一人出会う事はありませんでした・・・。

オキの耳から100m程標高を下ると緩やかな痩せ尾根の稜線歩きがしばらく続きます。

登山道を挟んで左側は草原の優しい斜面。でも右側は深く切れ落ちた一ノ倉沢の大絶壁が展開していてのぞき込むと反射的に足がすくんで怖いです。その奈落の絶壁広がる空間にイワツバメがシュッシュッと空気を切り裂く音を立てて飛翔しています。

やがて『ノゾキ』と呼ばれる展望地へ到着。途中で見てきた景色と変わらず一の倉沢の絶壁が広がっています。

『ノゾキ』って、、、たしか新田次郎の小説で殺人の舞台になった場所だったはず。あぁ・・・ここがその場所なんだ。小説中では『山では指一本で人を殺せる』とか何とか書いてたけど、ノゾキや一ノ倉沢はたしかにたしかにそんな場所だなぁ。って一人納得。

ノゾキを後にして岩場を下降して最低鞍部まで降り立つと、一ノ倉岳の登り返しが待ち構えていました。標高差はおよそ100m程で数字で見れば大したことないけど、ここまでの登りの疲労が出てきたから、この100mぽっちの登り返しでさえ怖気づいてしまいます。

オキの耳を後にして一ノ倉岳へ。オキの耳山頂脇の鳥居や祠を越えて一旦下ります

オキの耳を後にして一ノ倉岳へ。オキの耳山頂脇の鳥居や祠を越えて一旦下ります。

行く手にそびえる一の倉岳(右)と茂倉岳(左)

行く手にそびえる一の倉岳(右)と茂倉岳(左)。

一ノ倉岳稜線にはアズマシャクナゲ

稜線にはアズマシャクナゲ。

谷川岳稜線から西側はオジカ沢の頭、万太郎山、仙ノ倉山の山並みが連なって見えます

稜線から西側はオジカ沢の頭、万太郎山、仙ノ倉山の山並みが連なって見えます。

谷川岳の尾根から東側は一ノ倉沢の大絶壁が足元に広がっています・・・結構怖いよ

尾根から東側は一ノ倉沢の大絶壁が足元に広がっています・・・結構怖いよ。

谷川岳尾根の途中にある『ノゾキ』へ到着。名前の通り一ノ倉沢の絶壁をのぞきこめる展望地

尾根の途中にある『ノゾキ』へ到着。名前の通り一ノ倉沢の絶壁をのぞきこめる展望地。

谷川岳・一ノ倉岳『ノゾキ』から覗く一ノ倉沢。やっぱり怖い

『ノゾキ』から覗く一ノ倉沢。やっぱり怖い。

ノゾキから望む一ノ倉岳。まもなく登り返しに差し掛かります

ノゾキから望む一ノ倉岳。まもなく登り返しに差し掛かります。

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