緑の回廊だった有間山稜&蕎麦粒山&仙元尾根(3)

登山

登山した日-2014.5.11

有間山稜&蕎麦粒山&仙元尾根登山記第三弾です。コース最高点の蕎麦粒山を踏破して長大な仙元尾根に踏み込んでいきます。

防火帯広がる尾根の向こうへ

有間山稜を踏破して主稜線に出ると辺りの景色がガラリと変化します。尾根に沿って続く登山道の両側が『防火帯』として伐採されてあって、草原状で明るい景色になっているのです。

分岐点から程なくして桂谷ノ峰山頂に立ち、一旦下って急勾配の尾根を登り返すと蕎麦粒山の頂に立ちました。標高は1473mで今日のコースでイチバン高いところです。展望は木々が多いので絶景とまではいかないものの、歩いて来た桂谷ノ峰方面や遠く関東平野のほかに、富士山も拝めました。

初夏の好日だというのに登山者も少なくて静かでまったりしたひとときが流れていました。

有間山稜を登り切って蕎麦粒山の主稜線へ到着

有間山稜を登り切って蕎麦粒山の主稜線へ到着しました。

防火帯の景色が蕎麦粒山まで続いています

防火帯の景色が蕎麦粒山まで続いています。

何処までも続く防火帯

何処までも続く防火帯。

蕎麦粒山山頂の展望

蕎麦粒山山頂は木々に包まれていて展望はそれほど良くありませんが・・・。

蕎麦粒山から望む桂谷ノ峰、日向沢ノ峰

山頂東側は幾分見晴らしが利いて歩いて来た桂谷ノ峰、日向沢ノ峰方面を望めました。

蕎麦粒山から富士山を望む

木々のスキマから富士山も見えました。

静寂の仙元峠

蕎麦粒山山頂を後にして東に延びる尾根を5分程歩くと仙元峠(1444m)に立ちました。

ここから仙元尾根が浦山大日堂まで北に向かって延びています。つまりこの尾根を下れば下山できます。下り道とは言え長いコースなので、ここでしっかり休んで体力を回復させてから挑むことにします。

雑木林に囲まれた小ぢんまりとした山頂には、古い祠が祀られてあって僕の傍に一匹のタテハ蝶が羽を広げて休んでいました。僕が身体を動かすと驚いて飛んで逃げるけど、じっとしてるとまた傍に寄って来て羽を休めます。

地べたに座ってぼーっとしていると、下の方から足音がしたので振り向くと一人の男性が登ってきました。この男性は『白岩』という所から道の無いルートを天目山まで登ってその日のうちに往復してる最中との事。

普段から道の無い藪を掻き分けながら奥多摩の山々を歩いているそうで、見た目は70歳位の年配の方にも関わらず、話し方に活力とエネルギーが満ち溢れていてホントに元気な方でした。世の中スゴイ人もいるもんです。この山域に詳しかったので色々な情報を教えてもらいました。

最後に『これから何処へ行くんですか?』って訊かれたので、

『仙元尾根を下って行きます。』と話したら、

男性は、『仙元尾根は人が少くて静かで楽しい所だから、今から歩けて羨ましいです』と言ってくれました。

男性と分かれてこれから仙元尾根を下っていきます。一体どんな尾根なのか?とても楽しみになってきました。

有間山稜仙元峠

仙元峠には古い祠だけが建っていました。江戸時代には秩父や上州の人達がこの峠を越えて山梨へ向かっていた歴史ある峠だそうです。

仙元峠を別角度から

仙元峠を別角度から。

人の居ない静かな仙元尾根

仙元尾根に踏み込んだのは午後1時前。降り始めるとブナの巨木の森の中に立ち枯れたり朽ち果てた大木が横たわっていて、少し荒んだ雰囲気がします。

登山道は明瞭なものの、足跡は少なめでした。

やがてジグザグに続く急勾配の道に差し掛かります。そして登山道は尾根を逸れて斜面に沿うようになり、広葉樹の森からスギヒノキの薄暗い森へと景色は変化していきました。

スギヒノキの森を抜けると、再び尾根沿いの道になって新緑の広葉樹の森に出ますが、この頃になって僕は自分の今の居場所がわからなくなってしまいました。

有間山稜仙元尾根の新緑

仙元尾根の新緑。

有間山稜境界見出標

境界見出標。

仙元尾根から望む有間山稜のタタラノ頭

仙元尾根から望む有間山稜のタタラノ頭。

緑が濃密で樹林も濃密。森に吸い込まれそう

緑が濃密で樹林も濃密。森に吸い込まれそう。

不明瞭な尾根道を越えて浦山大日堂へ

というのも登山道がいまいち不明瞭なのです。

標高1000mを切った辺りで巨大な鉄塔が見えてきました。鉄塔の周りは保守管理の為に草木が綺麗に刈り取られているものの足跡が無く、登山道が見当たらないのです。

鉄塔をぐるりと廻って登山道らしき踏跡を見つけてしばらく歩くと2つ目の鉄塔が見えてきました。

ここも草木が刈り取られ整備されていて踏跡が見当たらず、おまけに登山道の看板も見当たらないから登山道の続きかどうかまったく判りません。

鉄塔の周りをウロウロして踏跡らしきものを見つけて前進します。たよりになるのは踏み跡と要所に結び付けられたピンク色のヒモだけ。

でもこの辺りあちこちに林業従事者がつけたと思われる印も有るのでそれを信用していいのかどうかわかりません。何度も地図・コンパスとにらめっこしながら不安なキモチを抱きつつ前進を続けるのでした。

広葉樹の森を過ぎると、再びスギの森の中に入りました。頼りなかった踏み跡もここまで来ると明瞭になり、登山道標識も出て来てほっと一安心。

谷筋の方から沢の流れる音がして目を凝らして見ると、人家らしきものが見えてきました。ゴールはもうすぐ。でも最後に急斜面で足元が滑りやすい危険な下り坂が待ち構えていたから恐る恐る慎重に下ります。

小さなお寺が建つ『大日堂』へ降り立ち、橋を渡って車道に出ると浦山大日堂のバス停が見えて来ました。バス停には誰も居らず静かなままでした。こんな感じで初の有間山稜登山は終了しました。

目印の赤いヒモを頼りに深い森を進んでいきます

目印の赤いヒモを頼りに深い森を進んでいきます。

麓が近くなってくる辺りでスギ・ヒノキの人工林に突入

麓が近くなってくる辺りでスギ・ヒノキの人工林に突入す。

長い仙元尾根を下りきって登山口の大日堂へ下山

長い仙元尾根を下りきって登山口の大日堂へ下山しました。

無事に浦山大日堂バス停の駐車場まで戻ってきました

無事に浦山大日堂バス停の駐車場まで戻ってきました。

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稜線の記憶