登山した日-2015.9.30
砂払いの頭を越えていよいよ金峰山の核心へ!素晴らしい紅葉と展望に出会えた金峰山登山日記後編です。
険しい岩稜を越えて
砂払の頭(2317m)から先は森林限界で、金峰山の頂を常に眼前に捉えながら登っていきます。
今まで僕の頭上を覆っていたシラビソやコメツガの木は、ここでは盆栽のように小さくねじ曲り展望を邪魔をする存在では無くなります。さらにハイマツも混じってくると、日本アルプスの高山地帯らしい世界へと様変わりします。
登山道東側の大絶壁は恐る恐る覗き込むと身震いしそうな程の高度感。そんな景色を堪能しながら次にそびえ立つ千代の吹上(2497m)を踏破して金峰山山頂直下の五丈石までやってくると、金峰山山頂は単なる岩の丘として目と鼻の先にありました。
金峰山を眼前に捉えながらの稜線歩きは爽快そのもの。
山肌に広がる紅葉がすごい!綺麗です~。
千代の吹上(2497m)の登りに差し掛かります。ここを登り切れば金峰山山頂はもうすぐ。
千代の吹上山頂は小さな岩が突き出ていました。
千代の吹上まで来れば金峰山の山頂ははもう間近。
千代の吹上、砂払いの頭・・・踏破してきた稜線を振り返ってみる。
金峰山山頂直下に鎮座する五丈石は、麓から仰いでも石の存在がわかる金峰山のシンボル的存在です。
金峰山山頂からの絶景
五丈石が鎮座する肩から、巨石の間を飛び石伝い登っていき標高2599mの金峰山山頂へ立ったのは朝の9時30分でした。
澄み渡った秋空の下には紅葉に色づいた奥秩父の山々が360度広がっていました。さらに遠くには南アルプス・北アルプス・富士山など奥秩父を取り巻く名だたる山々も一望出来て、山頂に立った達成感は一際格別でした。
標高2599m、金峰山のてっぺん。
山頂から南を向くと五丈石と富士山の光景がひろがります。
西には八ヶ岳連峰が屏風のように連なっていました。
東側は朝日岳・国師岳・北奥千丈岳といった奥秩父の主峰群を一望。
山々は紅葉に染まってすっかり秋の雰囲気。
金峰山小屋~千代の吹上間の斜面に広がる紅葉の森
帰りは金峰山山頂から北側斜面のゴロゴロしたガレ場を10分程下って金峰山小屋へ降り、ここから千代の吹上まで横一直線に延びるトラバース道へ足を踏み入れました。
金峰山小屋から眺める金峰山~千代の吹上~砂払いの頭の稜線は、芝生のように広がるハイマツと針葉樹の黒々とした森、点在する紅葉との組み合わせが絶妙にキレイでした。
15分程でトラバース道を渡り切って千代の吹上の登山道と合流し、あとは歩いて来た道をひたすら下ります。
金峰山山頂を離れて北側にある金峰山小屋まで降りていきます。向こうに見える山は小川山。
金峰山小屋へ到着。ここでもひと休みしましょうか。
金峰山小屋から千代の吹上へ向かうトラバース道。これからここを歩いていきます。
金峰山小屋付近から望んだ千代の吹上~砂払いの頭の稜線。青空と緑の対比がキレイ過ぎでした。
針葉樹の緑色とダケカンバの黄色とナナカマドの赤色が織りなす景色。
森の中へ入ると思いの外紅葉は見えず・・・色づいた木々は何処にあるの??
やっと色づいたダケカンバを間近に見ることができました。
千代の吹上の稜線まで戻り、歩いて来た金峰山小屋方面を振り仰いでみました。
さあ下って帰ろう。
地面の草花もしっかり紅葉。こちらはゴゼンタチバナ。
下山のひととき
砂払いの頭まで戻ると午前中の登りで見た爽快な展望はもうそこには無く、南アルプスや富士山の景色はすっかり霞んでしまいました。
砂払いの頭を後にすると金峰山の頂は山影に隠れて見えなくなり、樹林帯へ入ると展望自体が無くなって単調な森歩きがひたすら続きます。
その間にたくさんの登山者と沢山すれ違い、さらに何人かとすれ違いざまに言葉を交わしました。疲れ切って息が切れてる登山者から『金峰山まであとどのくらいですか・・・』
と時間的なことを聞かれると、『まだ距離がある』なんて言い辛いからオブラートに包んだ感じで『あともう一息ですよ』って答えて、
『紅葉がすごく綺麗だから頑張ってください!』
って付け加えるとみんな苦悶の表情が少し和らいで山頂を目指していきました。
どこまでも続く深い針葉樹の森。
大日岩の分岐点へ到着。ここから大日山荘・富士見平小屋方面へ向かって急斜面を下ります。
大日岩から眺めた景色。展望を望めるのはここで最後なので思い切り目に焼き付けてからここを後にしました。
大日山荘付近の森も秋色模様。右奥には大日岩が見えます。
金峰山を見上げて
登りは時間が長く感じたのに、下りだとあっという間。長い樹林帯の尾根道を下り続けて大日岩へ到着し、さらに大日小屋を経て富士見平小屋へ到着した時は午後12時過ぎでした。
そして無事に下山して駐車場を後にしました。
瑞牆山荘を少し下ったところにある金山平から、最後にもう一度金峰山を望んでみました。
赤や黄色に染まる金峰山の頂きを目を凝らして眺めた時、ほんの数時間前あのまっただ中に居たんだよなーって実感が湧かない程、山頂ははるか遠くに離れてしまっていました。
大日小屋を過ぎて飯盛山を巻いていくと辺りは深いシラビソ・コメツガの森の中。
無事下山完了。
帰り際、金山平から望んだ金峰山。紅葉が良かったからまたいつかこの時季に訪れたいです!